修羅(読み)しゅら

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

修羅(器具、装置)
しゅら

阿修羅(あしゅら)の略。帝釈天(たいしゃくてん)に戦いを挑む悪神の意から、大石(たいしゃく)を動かす修羅車、船下ろしの「ころ」など、中世以降さまざまな器具や装置の名称になる。考古学では、1978年(昭和53)大阪府藤井寺市の三ツ塚古墳の濠底(ごうてい)から発掘されたY字形の木製そりをさす。長さ8.8メートルと2.9メートルの大小二つの木製そりが出土し、アカガシの巨木を使った大型修羅は復原実験によって巨石運搬具と推定されている。修羅の出土地は、土師(はじ)氏の一根拠地であった河内(かわち)国志紀郡土師郷にあり、古墳時代後期か終末期のものであろう。[森 浩一]

林業の修羅

山腹の斜面を利用した一時的な木材搬出用の滑走路を修羅といい、集運材法の一つ。修羅には、勾配(こうばい)を利用して木材の自重により降下させる重力式がおもに使われるが、まれには畜類などで丸太修羅上を引く牽引(けんいん)式もある。現在では、集材機の発達によりみられなくなった。構造によって、土(ど)修羅、木(き)修羅、水(みず)修羅などに分けられる。土修羅は山腹の凹部をそのまま利用したもので、材木の損傷が大きく、用材搬出には適さない。木修羅はもっとも一般的なもので、丸太だけを使ったものと厚板を併用したいわゆる桟手(さで)がある。桟手はおもに木曽(きそ)地方で行われていた運搬装置である。普通は野良(のら)桟手と称し急勾配の斜面に架設され、木材の滑走面に厚板(野良板)を用いるのが基本であるが、野良板のかわりに小丸太を数本並べたり、切り取った木の板(粗朶(そだ))を編んだ桟手など地方によっていろいろみられる。また水修羅は、谷水をせき止めて材木の滑走に利用する運材法である。[松田昭二]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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