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公界 クガイ

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デジタル大辞泉の解説

く‐がい【公界】

表向き。晴れの場所。公儀。
「述懐は私事(わたくしごと)、弓矢の道は―の義」〈太平記・一九〉
世間。人なか。人前(ひとまえ)。
「何事が起こった。こりゃここは―ぢゃぞ」〈浄・生玉心中
苦界(くがい)2」に同じ。
「子細ありて郭中へ還(かへ)り、二たび―を勤めけるが」〈色道大鏡・九〉

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百科事典マイペディアの解説

公界【くがい】

初めは鎌倉時代の禅寺で公共のものをさす語として用いられ,南北朝時代以降は〈内〉〈私〉に対して〈世間〉〈公〉の意味で広く一般に使われた。戦国時代になると他人を主とすることを禁じられた相模江の島を〈公界所〉,《結城家法度》で個々の私的支配下にはない寺院を意味した〈公界寺〉など,縁切り・無縁の意味合いを含み,俗界から隔離された聖なる場所(アジール)を示す語として用いられた。

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世界大百科事典 第2版の解説

くがい【公界】

鎌倉時代,禅宗寺院で用いられた言葉として,まず現れる。公共のものをさし,井田の中央を公界といったともいうが,無学祖元の〈円覚公界〉という表現,〈雲堂公界の坐禅〉(《正法眼蔵》),〈公界人〉(東福寺文書)などの用例からみて,俗界から離れた修行の場や修行僧を意味するものと思われる。南北朝時代には〈述懐ハ私事,弓矢ノ道ハ公界ノ義〉(《太平記》)のように,私事に対する公をさす語として,一般的に使われはじめ,室町・戦国時代に入ると,公界は世間・公衆の意味で,内々,内証に対する言葉として広く用いられるようになった。

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大辞林 第三版の解説

くがい【公界】

公の場所。おおやけのこと。表向き。晴れの場。公的な用事。 「述懐は私事、弓矢の道は-の義/太平記 19
ひとなか。ひとまえ。世間。公衆。 「さやうの事を仰せられたらば、-で恥をかかせられう/狂言・花争」
交際。ひとづきあい。
苦界くがい 」に同じ。
課役。
[句項目]

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

公界
くがい

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世界大百科事典内の公界の言及

【大湊】より

…65年(永禄8)11月9日から12月10日までの間に入港船数113艘,銭34貫870文に及ぶ。大湊公界(くがい)と称し自治都市であることを顕示し,老若(ろうにやく)(老分・若衆)の合議組織で24名の会合(えごう)衆があり,入港税徴収は1組3名が日々交代で番にあたった。近郷と〈浜七郷〉の惣を形成していた。…

【義理】より

…ことに葬式の際の訪問や会葬することを単に義理と称するところが多い。公けとか世間を意味するクガイという言葉も同様の意で用いられ(公界(くがい)),またはギリクガイなどと併用し親族以外の者が親族並みに正装して葬儀に参列することを指す地方も各地にみられる。また当然のことながら,葬儀の時以外にも用いられ,田植や屋根葺きなどを無償で手伝うことをギリあるいはオツキアイと言う地方もあり,互酬性が期待できる村内生活ならではの用法であろう。…

【自由】より

… ひるがえって,liberty,freedomの語義についてもさまざまな論義があるが,その語源が共同体の成員権を意味するという説に立つならば,日本の場合も,古代の平民(公民),中世の平民百姓,近世の百姓はみな自由民ということも可能であり,この場合の自由は私的な隷属を拒否し,みずからを奴隷―不自由民から区別する自由ということになる。またそれを共同体からの自由と解するならば,日本の中世においても,身寄りのない貧しさを意味する語として広く使われた〈無縁〉という言葉は,転じて親子・主従等の縁を積極的に切った自由な境地を示す語となり,私・内証(ないしよう)に対する公・世間を意味する〈公界(くがい)〉の語は,私的な縁・保護を断ち切る自由を示す言葉として用いられ,戦国時代に用いられている〈楽〉〈十楽(じゆうらく)〉も,同様な意味をもったといってよい。しかし江戸時代に入ると,無縁は貧困を意味するもともとの語義にもどり,公界は苦界に,〈らく〉は一部地域の被差別民の名称となっていった点に,さきの〈自由〉の語義のマイナス評価とも関連する日本の社会の問題がひそんでいるといえよう。…

【中世社会】より

…しかし南北朝期以降,商人,手工業者,芸能民,さらにそのそれぞれの職能の分化が進み,一方では商人を別として,多くの職人は本拠地の津,泊,渡などに〈屋〉を構えて集住,あるいは河原・中州などに立つ市・宿に定着し,遍歴の範囲を狭めていった。こうして,元来アジール的な性格をもつそのような場に,みずからを公界(くがい)と称する自治体,会合衆(えごうしゆう)などに指導される自治的な(都市)が成長していくのである。
【下人】
 平民,職人と異なり,特定の主の私的な保護・隷属の下におかれ,売買・譲与された不自由民(下人あるいは所従(しよじゆう))が社会のなかでどの程度の比重を占めていたかは明らかでない。…

【道】より

…とくに近世に至り,町と町を結ぶ便利な道が多く敷設されるようになって,古代の道はとぎれ,廃道化する傾向が著しくなったようである。【和田 萃】
【中世の道の性格】
 〈公界(くがい)の大道〉〈公界の道〉など,戦国時代の用例から見ても明らかなように,道路は〈公界〉であり,私的な支配を拒否する本質をもっている。それゆえ平安時代以来,〈大道〉はしばしば田畠の四至(しいし)を示すになり,また摂津と播磨の境を〈不善の輩〉が往反したといわれるように,境はそれ自体道となりえたのである。…

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