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紐形動物 ひもがたどうぶつNemertinea; ribbon worm

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

紐形動物
ひもがたどうぶつ
Nemertinea; ribbon worm

紐形動物門に含まれる動物の総称。俗にヒモムシ類ともいわれる。体長5~30cmのものが多いが,まれに 8mもあるものもある。一般に細長い紐状の伸縮性に富む体をもち,左右相称で,背腹に平たい。体はほぼ頭,胴,腹部の3部に分れ,頭部に眼点,平衡器,繊毛溝などをもつ。消化器系は頭部にある口に始り,食道,多くの盲嚢をもつ腸へと続き,体後方に開く肛門に終る。体腔はない。いずれも体長にほぼ等しいほどの長いをもつが,普通は吻鞘という独特の器官内に納まっている。多くは雌雄異体。発生には,親と同形の幼生ができる直接発生と,半球形の自由遊泳性のピリディウム,デゾル (幼生) から変態して成体となる間接発生とがある。ほとんどが海産で,自由生活を行い,砂泥,海藻の間,岩石の下などにすむが,一部に寄生性のものもある。世界で 800種近くが知られている。

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デジタル大辞泉の解説

ひもがた‐どうぶつ【×紐形動物】

動物界一門。ほとんどが海産で、石の下や海藻に付着。体は細長くて平たい真田紐(さなだひも)状で、長さは5~30センチ。体表繊毛に覆われる。口は前部に、肛門は後端にあり、消化管の背面に収めた伸縮自在の長い吻(ふん)を頭端から出して餌を捕る。ひもむし。

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百科事典マイペディアの解説

紐形動物【ひもがたどうぶつ】

無脊椎動物の一門。普通ヒモムシと総称される。

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世界大百科事典 第2版の解説

ひもがたどうぶつ【紐形動物 Nemertinea】

無脊椎動物の中の1動物門。一般にヒモムシと呼ばれる。扁形動物のウズムシ類に似るが,さらに体の内部構造が複雑になり,また独特な吻(ふん)をもっている。ごく少数の種類が淡水や熱帯の湿地にもすむが,大部分は海産で,海岸の石の下や砂中に潜って生活する。また深海を浮遊生活しているものもある。とくに人間との関係はない。 体は細長いひも状で,環節がなく,背腹に扁平である。体長は大きなもので90cmほどになり,体幅は2mm~1cm。

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大辞林 第三版の解説

ひもがたどうぶつ【紐形動物】

動物分類上の一門。ヒモムシの類。体は細長く扁平で紐状。長さは数センチメートルから数十センチメートル。体節はない。消化管の背面に吻をもち、吻鞘ふんしように収められているのが特徴。雌雄異体。大部分は海産で、海岸の石の下や砂の中にすむ。日本にはカスリヒモムシ・ミドリヒモムシなど約100種が知られる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

紐形動物
ひもがたどうぶつ

動物分類上、一門Nemertineaを構成する動物群。ヒモムシとよばれ、系統上、大ざっぱにいって扁形(へんけい)動物と軟体動物の中間に位置しており、どちらかといえば扁形動物に近い。ほとんどのものは海生で、沿岸性である。一般に熱帯性と寒帯性に分けられ、少数種は北半球または赤道に沿って広く分布する。寒海に種類が多く、世界で約1000種知られ、日本からは約100種が報告されている。体は細長い紐状で、柔らかくて伸縮性に富む。一般に円筒状で背腹にやや平たい。体中にいわゆる体腔(たいこう)がない左右相称動物であることが大きな特徴で、吻(ふん)は消化管の上にある管状の吻腔(ふんこう)の中にあり、自由に体外に出入させることができる。そのほか、下等無脊椎(せきつい)動物として初めて閉鎖型の血管系をもち、また消化管に肛門(こうもん)がある。体色は種により一定の色模様があり、種によって美麗である。また体色が変化に富む種がいる。長さは種によって数ミリメートルから数メートルに達するものがあり、普通は数センチメートルから30センチメートルほどである。口は頭部の先端または腹側にあり、食道、胃を経て腸に続く。血管は体の左右の側血管と、消化管と吻器官の間にある1本の背血管とがあり、体の前後でつながっている。排出器官は原腎管(げんじんかん)で、末端は繊毛のある、焔(ほのお)細胞になっている。頭部の脳からは後方に一対の側神経が出ており、脳に接して感覚器官である頭感器がある。体表にある繊毛と体壁の筋肉の収縮で移動する。吻には特有な吻装置がある。[岩田文男]

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世界大百科事典内の紐形動物の言及

【血管系】より

…動物の体制が複雑化するにつれ,体の内側に位置する細胞は,まわりをびっしり他の細胞に囲まれるため,酸素や栄養の供給,老廃物の排出などの面で著しく条件が悪くなる。この点を解決する手段の一つとして発達する機構が循環系で,体液を媒体として栄養物,代謝産物,酸素,二酸化炭素,体熱などを運搬している。酸素は細胞,ひいては1個体が生きていくために不可欠なものであるが,その取入れ方は単に体表面から拡散によって取り入れるものから,呼吸色素を担体とし循環系によってガス交換の場に運ばれるものまで,動物の進化段階に応じてさまざまな方式がとられる。…

※「紐形動物」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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