動物界の一動物門。体が少数の細胞からできている寄生性の微小動物。原生動物から後生動物へ進化する中間に位置する一群としてファン・ベネデンvan Benedenにより名づけられた(1876)。しかし,現在では扁形動物の吸虫類が寄生生活によって退化したもの,また体をおおう繊毛や生殖孔の位置から環形動物のユムシ類が退化したもの,また腔腸動物の幼生に似ているところから腔腸動物と近縁な動物と考える学者などがおり,まだ系統上の真の解明はなされていない。
中生動物は,菱形(りようけい)類Rhombozoaと直游(ちよくゆう)類Orthonectidaとに分けられる。菱形類はミサキニハイチュウ(二胚虫)Dicyema misakienseで代表されるが,これは体長0.5~0.6mmで細長く,25個ほどの細胞からできており,全身が繊毛でおおわれている。体の前端には小さな極細胞が区別される。イカやタコの腎囊の中に寄生する。直游類は,1868年に初めて発見されて以来,地中海や北大西洋,アメリカ西海岸などから18種が知られていたが,日本では1976年に初めて北海道の厚岸でウズムシの体内に寄生しているものが発見され,79年にCiliocincta akkeshiensis(キリオキンクタ・アッケシエンシス)として報告された。体は細長い円柱状で,雄虫は約0.1mm,雌虫は0.2~0.3mm。外側は繊毛のはえた1層の細胞でおおわれ,内部には生殖細胞がつまっている。多毛類,貝類,クモヒトデ類,紐虫類などの体内に寄生する。最近の研究では菱形類と直游類とを一つの動物群にまとめることに疑問があるともいわれている。
執筆者:今島 実
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
原生動物と後生動物との中間動物としてかつて二胚虫(にはいちゅう)類に与えられた名称。現在では扁形動物門(へんけいどうぶつもん)の1綱として扱われ、二胚虫類と直遊虫類との2目からなる。この動物群は一般に顕微鏡視的な大きさで、外形は帯状(前者)か円錐(えんすい)状(後者)。海産動物の体内に寄生するため内部構造はきわめて単純化しているが、生活史の一時期には例外なく体表に繊毛域を有する。体内には数個から数十個の細胞があり、これらから新個体が形成される。
中生動物という語はかつては体系だった分類学上の一群ではなく、体制が簡単で個体の発生過程における桑実(そうじつ)期または中実胞胚(ちゅうじつほうはい)期に相当するような動物群のことであった。ところが、その後の研究によりその大部分はほかの動物群中に編入されるようになってしまった。たとえば、AmoebophryaやNeresheimeria、Haplozoonは渦鞭毛虫類(うずべんもうちゅうるい)に、Physemariaは有孔虫類に、TreptoplaxとXenoturbellaはクラゲ類に、Buddenbrockiaは退化した線虫類として扱われ、原生動物と後生動物とを結ぶという厳密な意味での中生動物は、板生動物のTrichoplax(センモウアメーバヒラムシ)だけといわれている。
[鈴木 實]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
学◆Mesozoa 英◆mesozoans
単細胞の原生動物と多細胞の後生動物との中間的な動物として設けられた動物界の一群。以前は一つの門として,多くの種類の動物が含められたが,その大部分は他の動物の個体発生の一時期に過ぎないことがわかり,除外された。現在残されたのは,菱形類(二胚虫類)と直泳類であるが,これらも独立した門を構成するものかどうか疑わしい。現在では分類上の位置が確定するまでの仮の群として扱われている。
執筆者:中村 耕二・後藤 仁敏
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