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有鬚動物 ゆうしゅどうぶつ Pogonophora; beardworm

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

有鬚動物
ゆうしゅどうぶつ
Pogonophora; beardworm

有鬚動物門に属する動物の総称で,一般にヒゲムシ類と呼ばれている。体長 10~35cm,体幅 0.5mm内外。体はきわめて細長く,左右相称で,前体,中体,後体の3部に分れ,各部分には体腔がある。

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デジタル大辞泉の解説

ゆうしゅ‐どうぶつ〔イウシユ‐〕【有×鬚動物】

動物界の一門。深海の泥中にすみ、ふつう、分泌したキチン質の管の中におり、体長約20センチ。体は前体・中体・後体・終体の4部分に分けられ、頭部の下面に触手が並ぶ。自由生活をするが、口や消化管はない。ひげむし。くだひげ動物。

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世界大百科事典 第2版の解説

ゆうしゅどうぶつ【有鬚動物 Pogonophora】

無脊椎動物の1動物門。1944年にベクレミシェフV.N.Beklemishevによって設けられた門であるが,それ以前には環形動物門の多毛綱に含められていたこともあった。一般にはヒゲムシイラスト)と呼ばれる。ふつう100~数千mの深海底までにすむ体幅0.1~1mmくらいの糸のような細い動物体であるが,最近,能登半島九十九湾の水深20mの海底からも発見されており,またガラパゴス地溝帯(水深2450~2500m)から体長150cm,体幅4cmの巨大な種類ガラパゴスハオリムシRiftia pachyptilaが発見されている。

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大辞林 第三版の解説

ゆうしゅどうぶつ【有鬚動物】

動物分類上の一門。体は細長いひも状で、キチン質の管の中にすみ、前体・中体・後体・終体に分かれる。頭部に一本ないし二〇〇本余りの触手をもつ。循環器系は発達しているが、消化管がなく、触手から栄養を摂取しているらしい。すべて海産で、深海の泥底にすむ。ヒゲムシ。ポゴノホラ。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

有鬚動物
ゆうしゅどうぶつ

動物分類学上、1門Pogonophoraを構成する動物群。分類学上、半索動物環形動物の貧毛類や多毛類などに近縁な動物といわれているが、まだ系統上の位置が確定されていない。この動物群は世界の海に広く分布し、一般に水深数百メートルから数千メートルの深海に生息する。
 虫体は細長く、体幅0.3ミリメートル、長さ20センチメートル内外のものが普通であって、キチン質の管の中にすんでいる。しかし、1977~79年にガラパゴス地溝帯の水深2500メートルの深海底から、体長1.5メートル、体幅4センチメートルの巨大種が60個体ほど発見され、これをアメリカの研究者が研究し、1981年にリフチア・パキプチラRiftia pachyptilaとして報告している。この場所は海底火山の噴気孔から噴出するガスによって水温が23℃にもなっている特殊な環境によるためと考えられる。
 体は前体・中体・後体・終体に区分され、体内の体腔(たいこう)もそれぞれに隔膜で仕切られている。前体の頭葉は円錐(えんすい)形で、その腹側から1~200本以上の触手が馬蹄(ばてい)形、円形、螺旋(らせん)形などに並んでいる。各触手には多くの小枝が並んでいて、これらが餌(えさ)を消化・吸収し、栄養を血液で体内の各所に運んでいるものと考えられる。なぜならば、この動物には口や胃・腸などが失われ、栄養を得る器官がないからである。寄生生活するもので消化器官が失われているのは普通なことではあるが、自由生活をする動物としてはまったく特異的なことである。中体部は短く、V字形の手綱という器官がある。後体部は非常に長く、乳頭突起や微小な剛毛からなる環帯などがあり、また雌雄いずれかの生殖孔が開いている。終体部は長さ1ミリメートルほどで、20節ほどに分かれ、各節には2、3対の剛毛がある。最末端の節はやや大きく2、3葉に分かれている。
 雌雄異体で、精巣は後体部の中央部に、卵巣は後体部の前部にある。管の中に産み出された卵は、管中に入ってきた精子によって受精され、幼生まで発達するが、卵の長径が管の直径より大きいときには斜めになって並んでいる。雄は精子の入った精莢(せいきょう)を海中に放出する。
 1900年にオランダの探検船がインドネシア海域から採集したのが最初であるが、その後、ソ連の研究船が北太平洋の深海から多くの種類を採集した。現在、世界で150種ほどが知られているが、体が糸状に細長いものが大部分なために、終体部までの完全な形態がわかっているのは現在15種ほどにすぎない。
 日本では相模(さがみ)湾や駿河(するが)湾の500メートル以深の海底からシボグリナム属Siboglinumの個体が多数得られているが、いずれも不完全個体ばかりで種までは同定されていない。この動物は一般に深海性のものであるが、能登(のと)半島の九十九(つくも)湾の水深20~25メートルの浅海底から、マシコヒゲムシOligobrachia mashikoiが1973年(昭和48)に報告されている。[今島 実]

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