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即時強制 そくじきょうせい

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

即時強制
そくじきょうせい

行政法上の義務賦課を前提としないで,行政機関がただちに国民の身体または財産実力を加えて行政上必要な状態を実現する作用。義務を命じる余裕のない場合または義務を命じることによっては目的を達しがたい場合に,法律の根拠に基づいて行うことができる。基本的人権保護のために,その目的に必要な最小限度に止められなければならない。即時強制の手段としては警察官職務執行法に定める質問,保護,武器の使用 (2,3,7条) などのほか,立入り検査 (たとえば,食品衛生法 17) などがある。

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デジタル大辞泉の解説

そくじ‐きょうせい〔‐キヤウセイ〕【即時強制】

行政機関が国民の身体や財産に対して直接実力を行使して、行政上必要な状態を実現する作用。急迫障害を除く必要上、やむをえない場合に限って法令で認めているもの。感染症患者の強制入院など。

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世界大百科事典 第2版の解説

そくじきょうせい【即時強制】

国民にあらかじめその履行すべき義務を課することなく,行政機関がただちに国民の身体や財産に実力を加えて行政上必要な状態を実現する作用を,行政法学上,即時強制と呼ぶ。ドイツ行政法学上のsofortiger Zwangの訳。国民にあらかじめその履行すべき義務を課し,その不履行の場合に,行政機関が独自の強制手段を用いて義務内容の実現を図る作用を,行政上の強制執行と呼び,即時強制と区別するが,両者を総称して行政強制という。

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大辞林 第三版の解説

そくじきょうせい【即時強制】

急迫の障害を除き、行政上必要な状態を実現するため、国民にあらかじめ義務の履行を命ずることなく、行政機関がただちに国民の身体や財産に実力を加える作用。泥酔者の保護など。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

即時強制
そくじきょうせい

行政機関が直接に国民の身体または財産に実力を加えて行政上必要な状態を実現する作用をいう。行政強制の一種。目前急迫の障害を除く必要上あらかじめ義務を命ずる余裕のない場合、または義務を命ずることによっては目的を達しがたい場合になされる。たとえば警察官職務執行法の定める質問・保護・避難などの措置、犯罪の予防および制止、立入り、武器の使用などがあり、そのほか健康診断や予防接種の強制、風俗営業などの営業所などへの立入検査、食品衛生法における見本品の無償収去、火災の際の土地の使用など、即時強制を認める各種の法律の規定がある。ただし最近は、立入検査は拒否された場合拒否した者を処罰するのみで、その意に反して立ち入ることができるものではないとして、これを即時強制でなく、単なる行政調査と説明する傾向にある。[阿部泰隆]

行政強制

行政強制とは、行政上の目的を達成するために行政機関が人の身体または財産に実力を加え、もって行政上必要な状態を実現する作用をいう。行政上の強制執行と、即時強制に分けられる。前者は、あらかじめ義務を命じ、その不履行を強制するためになされるものであり、後者は前述したとおりである。いずれも強制手段であるから、法律の根拠を必要とする。もともとドイツ系諸国では行政機関自身に強制権を認め、わが国旧憲法時代は行政強制を広く認めていたが、英米系諸国では行政機関も強制手段を用いるには司法権の介入を要するという司法的執行の原則を採用している。今日のわが国では、旧憲法時代の行政強制のうち、おもに代執行のみを認めて、直接強制や執行罰を廃止し、即時強制が認められる場合を厳重に制限するなどして、行政強制による人権侵害の防止に配慮している。[阿部泰隆]

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