(読み)スイ

デジタル大辞泉 「吹」の意味・読み・例文・類語

すい【吹】[漢字項目]

常用漢字] [音]スイ(呉)(漢) [訓]ふく
息をふく。息をふいて楽器を鳴らす。「吹奏歌吹鼓吹
[名のり]かぜ・ふ・ふき・ふけ
難読息吹いぶき吹聴ふいちょう吹雪ふぶき

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精選版 日本国語大辞典 「吹」の意味・読み・例文・類語

ふき【吹】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「ふく(吹)」の連用形名詞化 )
  2. 風などが吹くこと。
    1. [初出の実例]「山風のふきのまにまにもみぢ葉はこのもかのもに散りぬべらなり〈よみ人しらず〉」(出典:後撰和歌集(951‐953頃)秋下・四〇六)
  3. 鍛冶屋などが用いるふいご。〔日葡辞書(1603‐04)〕
  4. 吹雪暴風雪
    1. [初出の実例]「吹雪(フキ)も光りだしたので」(出典:春と修羅(1924)〈宮沢賢治〉春と修羅)
  5. 金属などを熱して溶かすこと。鋳造すること。
    1. [初出の実例]「金子半枚の代廿五石并すわ〈一斗〉ふき〈一斗〉判〈一斗〉」(出典:多聞院日記‐天正一〇年(1582)二月五日)

ふっ【吹】

  1. 〘 接頭語 〙 「ふき(吹)」の変化した語。動詞の上に付けて、勢いよく動作する意を表わす。「ふっとぶ」「ふっきる」など。

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普及版 字通 「吹」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 7画

[字音] スイ
[字訓] ふく

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 会意
口+欠(けん)。〔説文〕口部二上に「(うそぶ)くなり」、また欠部八下に「气を出だすなり」とあって、重出。卜文には口を開いて息を吹く人の側身形に作り、象形。金文はその形にまた(さい)を加えており、は祝詛盟を収める器の象。これを吹くのは、その呪能を妨げるための呪的な行為と考えられる。欠部の字には、歇・款・欲・歌・歐(欧)など、古代の呪儀に関する字が多い。

[訓義]
1. ふく、ふきかける、息をふきかける。
2. 風がふく、ふき動かす、かぜ。
3. 楽器をふく、ふきならす、吹奏の器。

[古辞書の訓]
名義抄〕吹 カゼ・カシク・フク・アフク・フヱ・サムシ 〔立〕吹 フク・ククム・アフク・フエ・サムシ・カゼ・カシク

[声系]
〔説文〕十上に炊を「爨(かし)ぐなり」とし、吹の省声とするが、吹が祝告の器を吹く象であるように、炊は火を吹く象であろう。また龠(やく)字条二下に炊声の字を録するが、これも龠を吹く象の字であろう。

[語系]
吹・thjiuaiは同声。〔詩、小雅、何人斯〕に「伯氏(くん)を吹き 仲氏(ち)を吹く」の下句に「此の三物を出だして 以て爾(なんぢ)を詛(のろ)ふ」とあり、ものを吹くことは、呪詛的な意味をもつことがあった。

[熟語]
吹雲・吹角・吹楽・吹・吹管・吹気・吹起・吹器・吹・吹牛・吹吹挙吹吁・吹吹煦・吹・吹呼・吹沙吹散・吹指吹簫吹脣・吹雪・吹扇・吹奏・吹・吹断・吹弾・吹竹・吹笛・吹灯・吹筒・吹簸・吹万・吹皮・吹面・吹毛・吹葉・吹螺・吹綸
[下接語]
蛙吹・笳吹・歌吹・角吹・管吹・騎吹・虚吹・魚吹・暁吹・軽吹・孤吹・鼓吹・徐吹・簫吹・声吹・清吹・奏吹・長吹・洞吹・鐃吹・万吹・晩吹・風吹・暮吹・鳳吹・遥吹・濫吹・霊吹

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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