和邇(読み)わに

百科事典マイペディアの解説

和邇【わに】

琵琶湖西岸,近江国滋賀郡の地名。滋賀県志賀町域(現・大津市)にあたる。大和の豪族和邇の部民が設定されていたことによる地名とされ,隣接する小野の和邇大塚山古墳の被葬者は和邇氏系の有力者と推定されている。北陸道の和邇駅が置かれ,駅馬7疋・伝馬5疋を備えていた。841年延暦(えんりゃく)寺の法勢大法師が竹生(ちくぶ)島に参詣する途次,和邇村に宿泊している。また湖上交通の要所でもあり,867年には和邇泊の船着場が崩れたとしてその修理が国司(こくし)に命じられている。883年には和邇御厨(みくりや)がみえ,贄人(にえびと)の活動が保障されている。1001年には和邇荘が平惟仲(これなか)から白川寺喜多院に施入されているが,1042年当時の本田は89町であった。のち延暦寺領となり,1169年焼失した根本中堂の再建には杣工(そまだくみ)を出している。1227年佐々木信綱に承久(じょうきゅう)の乱の戦功として和邇荘地頭職が与えられている。江戸時代には幕府代官支配・旗本市橋知行所・三上藩領などとして推移,1651年の船数は38艘で,堅田(かたた)の漁師と漁場争いとなっている。

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世界大百科事典 第2版の解説

わに【和邇】

滋賀県滋賀郡志賀町南部の地名。和邇川が比良山系から琵琶湖にそそぐ一帯。古代に和邇氏がいたといわれる。813年(弘仁4)に和邇村の記事がみられる(《類聚国史》)。867年(貞観9)には和邇泊(とまり)の修理が国司に命ぜられており,また883年(元慶7)には和邇御厨のあったことがわかる(《類聚三代格》)。和邇荘は1001年(長保3)平惟仲より白川寺喜多院に施入された所領のうちにみえ,また42年(長久3)の寂楽寺紛失状では本田89町であった(《高野山文書》)。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

和邇
わに

滋賀県西部、大津市の一地区。比良(ひら)山の南東麓(ろく)、和邇川流域にあり、東は琵琶(びわ)湖に面する。地名は古代の和邇氏に由来し、和邇荘(しょう)の地で、『延喜式(えんぎしき)』に和邇駅の名もみえる。近世は西近江(おうみ)路の宿場が設置された。南部の小野には小野篁(たかむら)神社や小野道風(とうふう)神社、小野妹子(いもこ)の墓と伝える唐臼山古墳がある。国道161号が通じ、湖西道路和迩(わに)インターチェンジがある。また、JR湖西線和邇駅もある。湖岸には水泳場があり、夏のリゾート地としてにぎわう。[高橋誠一]

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