ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「国際政治経済学」の意味・わかりやすい解説
国際政治経済学
こくさいせいじけいざいがく
International political economy
現代の国際政治経済学は,1945~91年の冷戦期に国際関係論の下位分野として現れた。当初の分析は主として国際安全保障を取り上げていたが,のちに経済安全保障や,国家および国際安全保障戦略における市場参加者(多国籍企業,国際銀行,石油輸出国機構 OPECなどのカルテル,国際通貨基金 IMFなどの国際機関を含む)の役割にも目を向けるようになった。1971年のブレトンウッズ協定の崩壊や,1973~74年の石油危機など,さまざまな劇的な国際的経済事象の結果として,国際政治経済学は重要性を増した。冷戦終結後は,国際経済のグローバル化が進むなかでの国家存続の可能性や,多国籍企業の役割,公正・正義・公平に関連する諸問題(発展途上国における賃金の低さや富裕国市場への依存など)に重点が置かれるようになった。
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