土師氏(読み)はじし

防府市歴史用語集の解説

土師氏

 筑紫[ちくし]で亡くなった来目皇子[くめのおうじ]の仮の葬儀をするために娑婆[さば]に送られた土師連猪手[はじのむらじいて]がそのまま居着いた後の子孫だと言われています。周防国府[すおうこくふ]の役人の中にも名前が見られ、松崎天神[まつざきてんじん]をつくったのも土師氏です。

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百科事典マイペディアの解説

土師氏【はじうじ】

古代の豪族。埴輪(はにわ)の製作,陵墓(りょうぼ)の造営,大王(おおきみ)の葬送儀礼などに関与した。その名はハニ(土器などを製作する粘土)に由来し,ハニで作られるのが埴輪や土師器(はじき),その工人をハニシという。土師氏の居住地と陵墓の分布はかなりの対応をなしているが,元来は居住地に住む住人相互の間には血縁関係はなかったようで,のち土師(むらじ)の支配下に入って,同一氏族であるかのような主張をしたとみられる。奈良後期から末期にかけて,居住地を本拠として菅原氏・秋篠氏・大枝(おおえ)氏(大江氏)となった。
→関連項目高野新笠

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世界大百科事典 第2版の解説

はじうじ【土師氏】

埴輪の製作や陵墓の造営に従事し,また,大王の喪葬儀礼に関与した古代の氏族。後には,軍事や外交方面でも活躍した。土師氏の名は,ハニ(土器や瓦などの製作に適した粘土)に由来する。すなわち,ハニを用いて作られるのが埴輪土師器(はじき)であり,製作する工人がハニシ(土師)であった。大王墓の墳丘上に樹立される埴輪が大量であり,また運搬上の困難さを考慮すると,埴輪作りに適したハニのある場所の近くに土師氏が居住し,大王墓が設けられたと考えられる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

土師氏
はじうじ

土師部の伴造(とものみやつこ)氏族。姓(かばね)は連(むらじ)。土部連にもつくる。684年(天武天皇13)12月宿禰(すくね)賜姓。王族・高官の陵墓築造、葬礼執行を伝統的職掌としていたが、大化の薄葬令(はくそうりょう)施行と7世紀末以来の火葬普及によって墓制や葬法が変化すると、職掌に打撃を受け勢力を失い、一般的な官人として活動する者も現れた。桓武(かんむ)朝の781年(天応1)、782年(延暦1)、790年の3回にわたり改氏姓を請願し、菅原(すがわら)、秋篠(あきしの)、大枝(おおえ)の三氏(朝臣(あそみ))に分かれた。[前川明久]

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世界大百科事典内の土師氏の言及

【遊部】より

…日本古代において,大王の喪葬儀礼に従事した集団。埴輪の製作,大王陵の造営や喪葬儀礼に従事した氏族として,土師(はじ)氏がよく知られている。遊部は,土師氏に統轄されて,殯宮(もがりのみや)内の諸儀礼に供奉する集団であったらしい。…

【大江氏】より

…790年(延暦9),桓武天皇の外祖母の一族土師(はじ)氏に大枝朝臣の姓を賜ったのに始まる氏族。菅原氏と同祖である。…

※「土師氏」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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