地塁(読み)チルイ(その他表記)horst

翻訳|horst

デジタル大辞泉 「地塁」の意味・読み・例文・類語

ち‐るい【地塁】

ほぼ平行に並ぶ断層両側地域が落ち込み、間に挟まれた部分が高くなっている地形ホルスト

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精選版 日本国語大辞典 「地塁」の意味・読み・例文・類語

ち‐るい【地塁】

  1. 〘 名詞 〙 ほぼ平行な二つ断層崖によって縁どられた周囲より高い地塊。→地溝。〔英和和英地学字彙(1914)〕

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「地塁」の意味・わかりやすい解説

地塁
ちるい
horst

ほぼ平行に走る二つの断層崖によってかぎられた,周囲よりも相対的に高く細長い断層地形。これに対し,相対的に低い地形を地溝 grabenといい,地塁と並列して存在している場合が多い。地塁の幅は数cmから数十kmまでさまざまで,高さは数百mにも及ぶことがある。地殻変動に伴う地面伸張断裂,および岩塩ドーム形成過程においてつくられ,地塁の両側はおもに正断層(→断層)をなす。地塁の典型例としてフランスのボージュ山地ヨルダン川西岸のパレスチナ高原があげられ,またアメリカ合衆国南西部のベースン・アンド・レンジ地帯(→グレートベースン)にも数多く見られる。

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改訂新版 世界大百科事典 「地塁」の意味・わかりやすい解説

地塁 (ちるい)
horst

断層で限られた,幅に比べて延長が長い地塊で,周辺に対し相対的に隆起している部分。逆に相対的に沈降している部分は地溝と呼ばれる。地塁の延長方向に沿う断層で,地塁の形成にかかわっている断層を地塁断層という。地塁は地質構造に対する用語であるが,この地塁構造が地形にあらわれている場合は,その地形に対して用いることもある。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「地塁」の意味・わかりやすい解説

地塁
ちるい

ほぼ並走している二つの断層崖(がい)で限られた地塊。ドイツ語のホルストHorstに由来し、英語やフランス語でもホルストhorstとよばれている。地塁は、地殻の表面部の隆起・断裂によって形成された地形と考えられている。山地を形成する地塁を地塁山地、脈状に連続するものを地塁山脈という。木曽(きそ)・六甲(ろっこう)・鈴鹿(すずか)・生駒(いこま)・笠置(かさぎ)などの山脈・山地は、地塁の例である。

[有井琢磨]

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百科事典マイペディア 「地塁」の意味・わかりやすい解説

地塁【ちるい】

ほぼ平行に走る2断層の両側の地域が落ちこみ,間にはさまれた部分が取り残されて高くなっている地質構造。阿武隈高地や鈴鹿山脈など多くの例がある。

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世界大百科事典(旧版)内の地塁の言及

【断層地形】より

… 凸地形とは,断層運動に伴って生じた,周辺に比べて相対的に高い地形である。断層で両側を限られた細長い隆起地塊が地塁(山地)で,少なくとも一方の側を限られた断層地塊(山地)の一種である。これがある方向に傾いていれば傾動地塊あるいは傾動山地とよばれる。…

※「地塁」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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