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大気電気学 たいきでんきがく atmospheric electricity

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

大気電気学
たいきでんきがく
atmospheric electricity

大気中に存在する電場,大気中のイオン,空中から地面に流れる電流,大気中における電波の伝搬など,気象に関係する電気現象を物理学的に研究する学問分野。最も身近な研究課題の一つにがある。

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出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

大気電気学
たいきでんきがく
atmospheric electricity

大気の下層および中層(対流圏成層圏)におこる電気現象を取り扱う学問。一方、電離層磁気圏などの空気密度がきわめて希薄な上層大気中の電磁気現象は性質がかなり異なるので、別の学問分野(超高層大気物理)のなかで取り扱われ、大気電気学のなかには含まれない。
 雷は対流圏の中でおこるもっとも激しい電気現象である。このことは、静電気に関する基礎的な発見が相次いでなされた18世紀の初頭に推察されていたが、実証する実験はフランクリンの計画に従って1752年ダリバールT. F. Dalibartによって初めて実行され、その1か月後フランクリン自身による有名な凧(たこ)の実験により確認された。これが大気電気学の始まりである。二番目の重要な発見は、ルモニエL. G. Lemonnierにより、雷がなくても大気中にはつねに電気現象がおこっていることが確かめられたことである。そして三番目の発見は、クーロンにより、空気は完全な絶縁体ではなく、導電性があることがみいだされたことで、これは18世紀末のことであった。
 これらのことは現在では次のように理解されている。大気中では雷のほかにも砂塵嵐(さじんあらし)など局地的な電気現象を引き起こすさまざまな気象擾乱(じょうらん)があるが、もっとも著しいものが雷であるという認識は現在でも変わらない。雷はつねに地球上のどこか(とくに低緯度の陸地)で発生しており、そこで発生した電荷は電光放電で一部中和し、残りは大気を通して全地球的に流出している。その理由は、大気が多少は電気を通す性質をもっていることにある。その結果、雷のない地域にまでその影響が現れる。これを「地球規模の雷電流系」という。
 大気電気学には、したがって現在では三つの系列がある。第一は雷の研究で、それには発電機構、電光放電機構、空電、避雷などの問題が含まれる。第二は大気の電離現象、大気イオン、エーロゾル(浮遊微粒子、煙霧質。エアロゾルともいう)などの研究で、それらは大気の導電性の問題につながっている。第三は雷電流系の研究で、これは上層大気中の電気現象(電離層電流系)との相互作用にも及ぶ。
 日本において大気電気の本格的な観測が始められたのは、茨城県にある柿岡(かきおか)地磁気観測所で、昭和初期のことであった。また日本学術振興会により雷災防止のための雷雨特別観測(1940~44)が群馬県前橋市を中心とした地域で行われたが、これは世界に先駆けた大規模な総合観測で、大きな成果をあげた。日本における大気電気学研究に先駆的な功績のあった人々には、この雷雨特別観測の立案指導にあたった畠山久尚(はたけやまひさなお)(1905―94)、空電研究の金原淳(きんぱらあつし)(1902―95)、雷放電機構の北川信一郎(のぶいちろう)(1919― )、雪氷帯電の孫野長治(ちょうじ)(1916―85)らがいる。[三崎方郎]
『金原淳著『空電』(1944・河出書房) ▽畠山久尚・川野実著『気象電気学』(1955・岩波書店) ▽孫野長治著『雲と雷の科学』(1969・日本放送出版協会) ▽畠山久尚著『雷の科学』(1970・河出書房新社) ▽北川信一郎・河崎善一郎・三浦和彦・道本光一郎編著『大気電気学』(1996・東海大学出版会) ▽北川信一郎著『雷と雷雲の科学――雷から身を守るには』(2001・森北出版) ▽日本大気電気学会編『大気電気学概論』(2003・コロナ社)』

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