デジタル大辞泉 「嫌う」の意味・読み・例文・類語
きら・う〔きらふ〕【嫌う】
1 いやがって、その対象とかかわりたくないと思う。好ましくないものとして、避ける。「世間から―・われる」「不誠実な人を―・う」
2 はばかって、それをしないようにする。また、そうすることをいやだと思う。「葬式は友引の日を―・う」「相手の差し手を―・う」
3 (人になぞらえた言い方で)それがあるとそこなわれやすいので避けるべきである。「塩は湿気を―・う」
4 (「きらわず」の形で用いる)区別する。わけへだてをする。「相手―・わず論争を挑む」「所―・わずつばをはく」
5 連歌・連句で、句の配列上、同類の言葉を付けたり、ある特定の語を特定の場所に使ったりすることを忌み避ける。
6 よくないものとして退ける。
「
[用法]きらう・いやがる――「ゴキブリを嫌う(いやがる)」では相通じて用いられるが、「ゴキブリを嫌って、見るのもいやがった」では「嫌う」「いやがる」を入れ換えると不自然になる。◇「嫌う」はいやだと思う気持ちを示すだけだが、「いやがる」は嫌う気持ちを態度や言葉に表すことである。「母と別れるのをいやがって泣いた」「いやがる相手を交渉の場に引き出す」などでは「嫌う」は使わない。◇類似の語に「いとう」がある。「いとう」はやや古い言葉で、「世をいとう」のように、避けたいという気持ちが強い。◇また、「おからだ、十分においといください」は、悪い要素を避けておいたわりくださいの意で、「いとう」独特の用法。
[類語]憎む・嫌がる・厭う・忌み嫌う・恨む・