そう【宗】
〘名〙
① おお
もと。
物事の
根本。また、むねとして尊びあがめるところ。むね。
※三教指帰(797頃)下「無量国之所二帰湊一。有情界之所二仰叢一。惟尊。惟長。以都。以宗」
※彼我相違の点を明かにす(1902)〈
植村正久〉「氏は
基督を宗
(ソウ)とせる
宗教を非とするに非ずや」 〔史記‐伯夷伝〕
※国歌八論(1742)正過論「その
過失を正すは、誰を祖とし誰を宗とするに及ばず」 〔
礼記‐祭法〕
しゅう【宗】
〘名〙
※正法眼蔵(1231‐53)弁道話「
坐禅を宗とする
婆羅門となづけき」
② 一寺に、それぞれの
経典、教義などの研究、
信仰のためにあつまっている別箇の僧たちのあつまり。
③ ある教義を奉じている
僧俗の
一団。八宗、十宗などといわれるもの。
宗門。
※
今昔(1120頃か)一一「亦、国々にも此の宗を学て、天台宗于今盛り也となむ語り伝へたるとや」
④
因明(いんみょう)でいう、宗・因・喩・合・結の、その
一つ。論証しようとするその
命題のこと。
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デジタル大辞泉
「宗」の意味・読み・例文・類語
そう【宗】
1 根本とするもの。おおもと。
「好んで超邁を―として」〈漱石・吾輩は猫である〉
2 祖先のうちで有徳の人。
しゅう【宗】
1 教説の中心となる根本的な趣旨。宗旨。
2 ある教義を奉じている信者の一団。宗門。宗派。
3 仏教の論理学である因明で、命題。主張。
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