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家質 かじち

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

家質
かじち

家屋敷の抵当。江戸時代,主として,江戸,大坂,京都など町方の地主の間で債権担保の方法として盛んに行われた。古くは江戸,大坂とも,家屋敷の永代売渡証文を債権者に預け,江戸では質入主はその家屋敷の家守 (やもり。差配人) として,大坂では借家請状を債権者に差入れて借家人としてこれを占有するという形で行われた。のち大坂では享保5 (1720) 年に家質証文を債権者に差入れることに改まり,江戸でも天保の改革の際 (1842) に同様に改正されている。

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デジタル大辞泉の解説

いえ‐じち〔いへ‐〕【家質】

かじち(家質)

か‐じち【家質】

江戸時代、家屋や敷地を抵当にして金を借りること。また、その家屋敷。いえじち。
「烏丸通に三十八貫目の―を取りしが」〈浮・永代蔵・二〉

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大辞林 第三版の解説

いえじち【家質】

かじち【家質】

家屋敷を抵当にして借金すること。いえじち。 「 -の銀借かねかしして、富貴になるも有り/浮世草子・永代蔵 6

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

家質
かじち

江戸時代における家屋敷の抵当。ここにいう家は家屋敷をさし、質といっても実は抵当である。主として町方で行われた。大坂での家質は、古くは質入主が家屋敷の売渡し証文を質取主に渡し、同時に借家請状(うけじょう)を差し入れて、その家屋敷の占有を継続するという形で行われた。1720年(享保5)に質物証文の形式として、年寄(としより)五人組の加判を受けることに改まった。証文面に利息の定めが記載され、家質に限り、質としての効力が認められた。江戸では、初めは利息付きの家質証文の形式であったと考えられるが、大坂に倣って、債務者から債権者に担保に入れる家屋敷の売券と家守(やもり)請状を渡すという形式が発達、両者は併用された。のちに質地に利子をつけることが禁ぜられた結果、後者のみが残り、かつ利息のかわりに家賃を払わせることになった。新たに家質証文が採用されたのちにもこの制度は存続した。江戸時代に家質は、確実で、利率の低い担保として、町方の金融上重要な地位を占めた。[石井良助]

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世界大百科事典内の家質の言及

【家質会所】より

…江戸時代,幕府の認可をうけて家屋敷を質物(家質)とする貸借証文の保証をおこなった所。会所が自己資金による貸付業務をおこなった場合もある。…

【質】より

…地域や職業集団に特有な人間諸関係に対応する質は,社会のすみずみまで浸透した。その働きは大きく分けて質地,家質,株質,質奉公,質物となる。(1)質地 近世農村に広範,膨大に存在した長期・中期の不動産質金融。…

※「家質」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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