九州最南端の佐多岬(さたみさき)から南へ約60キロメートルの海上に浮かぶ屋久島と、その北西方約12キロメートルに位置する口永良部島(くちのえらぶじま)からなる国立公園。1964年(昭和39)に屋久島地区が錦江湾(きんこうわん)(鹿児島湾。旧、錦江湾国定公園)とともに霧島国立公園に編入され、霧島屋久国立公園と改称。2007年(平成19)口永良部島地区を編入。2012年(平成24)に口永良部島を含む屋久島地域が分離・独立し、現在の名称となった。公園面積(陸域)245.67平方キロメートル。屋久島の栗生(くりお)、口永良部島のメガ崎の2地区(面積計1.71平方キロメートル)が海域公園に指定される。この間の1993年(平成5)には、屋久島の約5分の1にあたる約107平方キロメートルが、日本初の世界自然遺産として登録された。
屋久島はほぼ円形をなし、周囲約130キロメートル。島の中央部は九州最高峰の宮之浦(みやのうら)岳(1936メートル)をはじめ、永田岳、黒味(くろみ)岳などがそびえる山岳部で、温暖多雨、植生の豊富なことで知られる。とくに標高700~1600メートル付近に分布する樹齢1000年以上のスギは屋久杉とよばれ著名。このほか亜熱帯から亜寒帯に及ぶ植生の垂直分布は学術上も注目される。海岸部および沿岸海域は、ウミガメの産卵地で、サンゴ群集や魚類の宝庫として評価される。口永良部島は、東部の古岳(657メートル)・新岳(626メートル)、西部の番屋ヶ峰(290.9メートル)などの火山体が結合した火山島で、特異な景観に恵まれ、火山島でありながら自然性の高い照葉樹林に覆われて「緑の火山島」ともよばれる。海岸部では海食崖が発達する変化に富む地形が展開し、海中には多様なサンゴ群集が広がる。
[編集部]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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