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学術・文芸雑誌。1895年(明治28)1月創刊,1920年(大正9)1月終刊。全296冊。うち,1917年3~9月休刊。1894年12月,東京帝国大学文科大学の教官,卒業生,在校生によって結成された帝国文学会を母胎として発行され,編集は会員の互選による委員があたった。最高学府としての権威を自覚した使命感に裏づけられ,保守と啓蒙の二面的性格をその特色とする。第1期(創刊~1905)は国民文学創造の提唱,上田敏の活躍,新体詩論議,国語国字論などに特色があり,第2期(1906~休刊)は非自然主義的立場の強調,理想主義,象徴主義の論議,大正デモクラシーの風潮の反映などがみられ,第3期(復刊~終刊)は伝統主義論争などが特色である。百科全書的な人文科学研究の学術誌的側面と,夏目漱石《倫敦(ロンドン)塔》,森鷗外《北条霞亭》などに代表される文芸誌的側面をあわせ持った雑誌である。
執筆者:助川 徳是
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学術・文芸雑誌。1895年(明治28)1月~1917年(大正6)2月、1917年10月~1920年1月。全296冊。東京帝国大学文科大学の教官、卒業生、在校生によって1894年(明治27)に結成された帝国文学会を母体として発行された。初期は、高山樗牛(ちょぎゅう)の浪漫(ろうまん)性豊かな論説や、上田敏(びん)による海外の思潮・文芸の導入、多くの論者による新体詩論、国語国字問題の評論に特色がある。中期(1906~休刊)には世紀末思潮の紹介、象徴主義の提唱などに、片山正雄、樋口龍峡(ひぐちりゅうきょう)、和辻哲郎(わつじてつろう)らが活躍した。末期(復刊~終刊)は、森鴎外(おうがい)の『観潮楼(かんちょうろう)閑話』などのエッセイに特色があり、柳宗悦(やなぎむねよし)、福士幸次郎らが論じた。百科全書的な人文科学研究の場であるとともに、塩井雨江らの美文、夏目漱石(そうせき)『倫敦塔(ロンドンとう)』その他の小説、小山内薫(おさないかおる)らの戯曲を載せた文芸雑誌でもある。
[助川徳是]
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