(読み)イオリ

デジタル大辞泉「庵」の解説

いおり〔いほり〕【×庵/×廬/×菴】

草木や竹などを材料としてつくった質素な小屋。僧・隠者などが住む小さな住居や、農作業などの仮小屋。また、自分の家を謙遜していう。草庵そうあん。いお。くさのかりや。「―を結ぶ」
軍隊の一時宿泊する所。軍営。
紋所の一。庵形の紋。
庵形」の略。
庵看板1」の略。
[類語]あん庵室草庵草堂東屋

あん【×庵/×菴】

[名]
世捨て人や僧侶などの閑居する小さな草葺くさぶきの家。草庵。いおり。「―を結ぶ」
大きな禅寺に付属している小さな僧房。
[接尾]文人・茶人やそれらの人の住居、また料亭などの名に添えて、雅号・屋号として用いる。「芭蕉―」「好日―」
[類語]いおり庵室草庵草堂東屋

あん【庵】[漢字項目]

人名用漢字] [音]アン(呉)(漢) [訓]いおり いお
きの小さな家。いおり。「庵室庵主草庵僧庵

いお〔いほ〕【×庵/×廬/×菴】

いおり1」に同じ。
軒端のきばの松を寂しき―の友として」〈露伴・二日物語〉

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精選版 日本国語大辞典「庵」の解説

いお・る いほる【庵】

〘自ラ四〙 庵をつくって住む。仮小屋に泊まる。仮に宿りをする。
※常陸風土記(717‐724頃)筑波・歌謡「筑波嶺に 伊保利(イホリ)て 妻なしに 我が寝む夜ろは」

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世界大百科事典 第2版「庵」の解説

いおり【庵】

出家した僧尼世俗をさけた隠遁者が住む小住居。草庵,庵室,退居庵ともいう。ここに住む庵主は第一線を退いた老尼僧や地方土豪の半聖半俗の翁媼が多く,閑居の宗教生活を送った。寺院が寺産,寺名,寺格,祭祀具,住持という条件がそろうと成立し,檀信徒や住持の相続がなされて発展するのに対して,庵はこれらの条件が不安定かつ小規模である。大寺院境内の塔頭(たつちゆう)や地方土豪の持庵も庵の一種。文人,茶人の庵号仮居もある。

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世界大百科事典内のの言及

【寺院】より

…院は周囲に垣をめぐらした建物をいい,官舎の名にも用いられたが,仏寺の名に院号をつけることがさかんになったのは唐末からである。寺,院より規模の小さなものは,庵,堂などと名づけた。中国で最初の寺院は,後漢明帝のとき洛陽に建てられた白馬寺と伝える。…

【塔頭】より

…禅宗寺院の子院で塔中とも書く。高僧の住房や庵居から発展し,その墓(塔)を守って弟子が相伝した。塔の中で首座にあるところから塔頭と呼んだとも,また塔の頭(ほとり)でこれを守ったことから塔頭と呼んだともいう。…

※「庵」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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