労働争議当事者の少なくとも一方、場合によっては双方の意思を問わずに開始される労働委員会の調停。労働争議を予防または解決するため、労働委員会はいわゆる調整的機能として斡旋(あっせん)、調停、仲裁を行う。調停は、労働委員会の委員によって構成される調停委員会が調停案を作成し、労使双方に受諾を求めて争議を解決する方法である。調停案を受諾するかどうかは当事者の任意であり、この点は強制調停の場合も変わらない。調停が任意的であるか強制的であるかの区別は、調停開始の要件による。この点、労働関係調整法では、公益事業および公益に著しい障害を及ぼす事件について、(1)当事者の一方の申請、(2)労働委員会の職権に基づく決議、(3)厚生労働大臣または都道府県知事の調停請求によって、労働委員会は調停を開始する(18条3号~5号)。ほかに、行政執行法人の労働関係に関する法律第27条、地方公営企業労働関係法第14条にも類似の定めがある。
[木下秀雄・吉田美喜夫]
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…また,労働大臣らの請求による開始は,事件の規模が大きいか,特別の性質の事業に関する公益に著しい障害を及ぼす事件の場合にも認められる。これらの開始についてのみ強制する方法を強制調停と呼ぶ。申請のあった日から15日以内に調停案は作成され,その受諾勧告には10日以内の期限が付される。…
※「強制調停」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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