御田植祭(読み)オタウエマツリ

デジタル大辞泉 「御田植祭」の意味・読み・例文・類語

おたうえ‐まつり〔おたうゑ‐〕【御田植(え)祭(り)】

年頭または田植えの前に、豊作を祈って行われる田植えの神事伊勢神宮住吉神社などのように、神田しんでん実際に田植えを行うものと、予祝行事として農作演技を行うもの(田遊び)とがある。御田植え。御田おんだ御田おんだ祭り。田植えの神事。 夏》

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精選版 日本国語大辞典 「御田植祭」の意味・読み・例文・類語

おたうえ‐まつりおたうゑ‥【御田植祭】

  1. 〘 名詞 〙おたうえ(御田植)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「御田植祭」の意味・わかりやすい解説

御田植祭[阿蘇]
おたうえまつり[あそ]

熊本県阿蘇市阿蘇神社で 7月28日に行なわれる祭り。御田祭(おんだまつり)とも呼ばれる。この祭りのときだけ開かれる神幸門から,2ヵ所の行宮に向けて,4基の神輿を中心とする神幸行列が出発する。行列には,白装束に白布で顔を隠し,神へのお供えを入れる飯びつを頭上に載せた 14人の宇奈利(うなり)や,獅子唐団扇ウマに乗った 2人の早乙女男児 4人の田楽,田男,田女,牛頭の 3体の田植人形などが加わる。一の行宮,二の行宮の順にめぐって神事を行なうが,一の行宮での神事後,宇奈利の運ぶ飯びつに供物が入れられる。どちらの行宮でも,神事後に,田唄がうたわれるなか,宇奈利や田植人形などのまわりを回る神輿の屋根に向けて,宮司らが苗を投げ上げる田植式がある。苗が神輿の屋根に上がれば豊作といわれる。同じ市内にある国造神社でも,7月26日に同様の御田植祭がある。国の重要無形民俗文化財に指定されている,阿蘇の農耕祭事の一つ。

御田植祭[住吉]
おたうえまつり[すみよし]

大阪府大阪市住吉区住吉大社で 6月14日に行なわれる祭り。御田植神事とも,御田(おんだ)ともいう。当日の午前,神館で,植女(うえめ)などが化粧,着衣を施され神酒をいただく粉黛式(ふんたいしき)と戴盃式(たいはいしき)があるが,ともに非公開。午後,本殿神前早苗を授与された植女が,奴(やっこ)の先導で,風流武者,八乙女,稚児,御稔女(みとしめ),替植女(かえうえめ),住吉踊の少女たちなどとともに御田に向かい,御田式となる。芸者が務める植女は田には入らず,30人ほどの替植女に苗を渡し,替植女は,田の東側から苗を植え進める。田には舞台がつくられており,ここで八乙女による田舞や御稔女による神田代舞(みとしろまい)があるほか,舞台と田のあぜで,風流武者行事や田植踊,僧服に赤布を垂らした笠を着け 4人一組で心字形に踊る住吉踊なども行なわれる。国指定重要無形民俗文化財。

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世界大百科事典(旧版)内の御田植祭の言及

【住吉踊】より

…民俗芸能。大阪市住吉区の住吉大社に伝承される踊りで,古くは住吉大社の神宮寺,新羅寺の社僧が御田植祭に踊ったあと,住吉代参の祈禱の目的で京阪を巡回して踊ったものだという。白木綿の衣装に手甲,股引,脚絆といった旅仕度の者4~5人が円陣をつくり,音頭取りが大傘を立てて〈住吉様の岸の姫松目出たさよ〉などと傘の柄をたたきながら歌うのにつれて,うちわを打ちふり足をはねあげて踊る。…

※「御田植祭」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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