六訂版 家庭医学大全科 「救急手術の適応と予後」の解説
救急手術の適応と予後
きゅうきゅうしゅじゅつのてきおうとよご
Emergency sergery and its prognosis
(お年寄りの病気)
高齢者は、受診をためらって診断が遅れることがあり、そのため病気が重症化して緊急手術が必要になることがあります。また、感染症にかかっているのに、感染の指標である血液中の白血球の増加が認められない場合や、特徴的な腹膜刺激症状がはっきりしない
高齢者の
外科の救急手術
一般外科の主な救急疾患は、消化管出血と
外科救急手術の対象になるのは多くの場合、急性腹症です。突然現れた腹痛で、緊急手術が必要かどうかを判断すべき腹部の疾患群を急性腹症といいます。イレウス、消化管
①イレウス(腸閉塞)
以前にがんなどで開腹手術を受けたことのある高齢者に、腸管の
②消化管穿孔、腹膜炎
高齢者は消炎鎮痛薬やステロイド薬などを内服していることが多く、その副作用で胃・十二指腸潰瘍が生じ、出血や穿孔が起こります。胃・十二指腸潰瘍の穿孔では、開腹術により穿孔部に対する処置を行ったのち、腹腔内を洗浄し、腹腔ドレーンを挿入して術後に
③その他
高齢者では虫垂炎の頻度は高くはありませんが、症状が軽くみえても穿孔して
高齢者の胆嚢炎は進行が早いので、迅速な胆嚢摘出術(開腹手術、または腹腔鏡下手術)が必要です。全身麻酔手術に耐えられない患者さんには、
上腸間膜動脈閉塞症は、腸管の
まれに、腹痛が
脳神経外科の救急手術
頭部外傷後に、急速に意識障害が進む急性
脳血管障害では、高血圧性脳出血のなかでも小脳(しょうのう)出血や
小林 秀
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報