新疆ウイグル自治区(読み)しんきょうウイグル

知恵蔵の解説

新疆ウイグル自治区

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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

新疆ウイグル自治区

中国に五つある自治区の一つで、総面積は約166万平方キロメートル。カザフスタンなどと国境を接し、希少金属など鉱物資源が豊富とされる。住民はイスラム教を信じるトルコ系住民「ウイグル族」が多い。清朝時代に征服され、その後独立の動きもあったが、新中国成立を経て自治区となった。新疆とは「新しい土地」の意味。同自治区の統計によると、総人口約2200万人(2011年末)のうち、漢族以外の少数民族が6割を占める。新中国成立以降は漢民族の移住が増え、文化や宗教が抑圧されていると訴えるウイグル族との対立が激化。1990年代以降はソ連崩壊に伴う中央アジア諸国の独立を受け、ウイグル族の独立運動も活発になった。こうした動きに対し、中国政府は武装警察を投入するなどして締め付けを強めているが、不満を持つウイグル族による武器や爆薬を使った襲撃事件が後を絶たない。背景には、漢族との経済格差や就職差別も指摘される。爆破事件のあったウルムチは、自治区中部に位置する最大都市(区都)で、人口の大半を漢族が占める。09年にはウイグル族の学生らと治安部隊が衝突する大規模な騒乱があり、2千人近い死傷者が出た。

(2014-05-02 朝日新聞 朝刊 2総合)

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デジタル大辞泉の解説

しんきょうウイグル‐じちく〔シンキヤウ‐〕【新疆ウイグル自治区】

《新疆は新しい土地の意》中国北西部の自治区崑崙(こんろん)天山アルタイの3山脈と、その間にあるタリムジュンガルの2盆地からなる。中心都市はウルムチ。水利開発によるオアシス農業が盛ん。古代はシルクロード交通の要地代に中国の版図に入った。1884年から新疆省、1955年から自治区となる。人口、2010万(2005)。新疆。

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百科事典マイペディアの解説

新疆ウイグル自治区【しんきょうウイグルじちく】

中国北西部の民族自治区。モンゴルロシア,カザフスタン,キルギス,タジキスタンアフガニスタン,パキスタン,インドに接する。主都はウルムチ。中央に天山山脈が東西に連なり,南疆,北疆に2分する。南疆はタリム盆地を中心に,その南北にオアシス都市が東西に並ぶ。北疆はジュンガル盆地ジュンガリア)を中心に,その南縁に中国中央部との交通幹線が東西に走る。河川はほとんど内陸河である。気候は典型的内陸性気候。交通は自動車道路を主とし,蘭新鉄路(蘭州〜ウルムチ),南疆鉄路(トゥルファン〜クルレ)などがある。小麦,水稲,綿花,果物,木材,畜産品などのほか,金,銀,鉄,石油,石炭などの地下資源が豊富。特に石油と天然ガスはそれぞれ,中国全体の埋蔵量の3割とされ,中国は新疆生産建設兵団という準軍事的政府組織を展開し,経済・軍事開発をはじめ行政・司法の全般を担わせた。原油精製やパイプライン敷設,送電線建設,石油コンビナートなどの巨大設備建設が進んでおり,成長を続ける中国にとって最重要の経済拠点である。民族構成はウイグル族(維吾爾族)が総人口の47%余(1991年。1949年には76%。)を占め,漢族約38%が次ぎ,そのほかカザフ族,回族,モンゴル族,満族,オロス族(ロシア人),キルギス族,シボ(錫伯)族タジク族,ウズベク族などの少数民族が居住する。1955年に中国で2番目に成立したこの自治区では,最も遅れて1965年に成立したチベット自治区とともに民族問題が大きな重みをもっている。漢族の大量の流入が相次ぎ,漢族との格差問題なども加わり,ウイグル族を中心に分離独立を求める動きが活発化することになった。分離独立を主張する人々は,新疆という呼称を嫌い〈東トルキスタン〉という呼称を用いている。民族構成における漢族の比重の増大,改革・開放政策のもとでの格差拡大,ソ連崩壊と中央アジアの隣接する民族国家の独立,東トルキスタンイスラム運動などイスラムの影響力が主たる要因である。2013年11月の天安門自動車爆破事件や2014年3月の昆明駅無差別暴力事件などを中国政府は新疆ウイグル自治区の過激派組織によるものとしてウイグル族への規制・弾圧を強めているが,中国当局が実体を開示していないため詳細は不明である。2015年3月,同区共産党委員会は,イスラム過激派組織ISの戦闘に参加した後,中国に戻ったグループを摘発したと発表,ウイグル独立派など新疆のイスラム過激派の一部がISに参加していると懸念を示した。164万6800km2。2226万人(2014)。→新疆
→関連項目中央アジア中華人民共和国ドゥンガントルキスタン東トルキスタンイスラム運動

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世界大百科事典 第2版の解説

しんきょうウイグルじちく【新疆ウイグル自治区 Xīn jiāng Wéi wú ěr zì zhì qū】

中国北西部の自治区。中国では新疆維吾爾自治区と表記。北東はモンゴル,南東は甘粛,青海の両省,南はチベット(西蔵)自治区,北西から南西はロシア,カザフスタン,キルギス,タジキスタンの諸国や,アフガニスタン,カシミール地方と境を接する。面積は全国の省・自治区最大の160万km2,人口1661万(1995)。ウイグル族約46%,漠族約40%,カザフ族約7%のほか,回,キルギス,モンゴル,ロシア,シボ,タジク,ウズベク,タタール,ダフール,満州などの諸民族が居住し,自治州・県を形成している。

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大辞林 第三版の解説

しんきょうウイグルじちく【新疆ウイグル自治区】

中国北西部のウイグル族の自治区。アルタイ・天山・崑崙こんろんの三山脈と、その間に広がるジュンガル・タリム両盆地からなり、砂漠・山岳が大部分を占める。もと新疆省。古来、シルクロードが通じる東西交通の要路。区都ウルムチ。別名、新。東トルキスタン。

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精選版 日本国語大辞典の解説

しんきょうウイグル‐じちく シンキャウ‥【新疆ウイグル自治区】

(ウイグルはUighur) 中国の北西部にある省級の自治区。主都ウルムチ。中央部を東西に走る天山山脈とその北側のジュンガル盆地、南側のタリム盆地、東側のトルファン盆地からなる。住民は約三分の二を占めるウイグル人のほか、カザフ、キルギス、モンゴルなどの少数民族がいる。古来西域の名で知られ、オアシス農業と牧畜が行なわれていたが、第二次世界大戦後大規模な水利事業が行なわれ、コムギ・トウモロコシなどの農産物は飛躍的に増大した。

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