出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
北海道中央部,大雪山の南西部の一峰で,標高2291m,北海道の最高峰である。安山岩質の成層火山で,大雪山の他の諸峰と同様に古生層の上にのる溶結凝灰岩の山体の上に噴出したものであるが,生成の時期は沖積世初期で最も新しい。山頂直下から西に開いた縦長の爆裂火口(地獄谷)は最大幅500mに達し,噴気孔は今も活動している。火口の下端近くにある火口湖姿見の池は強酸性の水をたたえ,その脇に古くからの石室がある。この付近はハイマツ帯で,高山植物の群落があり,頂上まで2時間の登山口である。大雪山南西麓の温泉地勇駒別(湧駒別)(ゆこまんべつ)(現,旭岳温泉)と姿見の池付近を結ぶロープウェーがある。中腹部以下はエゾマツ,トドマツ,シラカバなどの天然林に覆われ,山腹のところどころに湿原があり,ロープウェー中間駅(現在は廃止)のある天人ヶ原(天女ヶ原)もその一つ。
執筆者:岡本 次郎
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北海道中央部の火山群大雪山(たいせつざん)の一峰。標高2291メートルで、北海道の最高峰である。大雪山の南西部にあたり、熊(くま)ヶ岳、後(うしろ)旭岳に接してその外側に位置している。この火山群のなかではもっとも新しい時代に噴出したもので、円錐(えんすい)状の成層火山で、溶岩は普通輝石かんらん石安山岩である。山体形成後、西側に開く大爆発火口を生じ、その中の硫気孔はいまも噴煙をあげており、硫黄(いおう)採取が行われたこともある。火口下部にある姿見の池(すがたみのいけ)は一爆裂火口に湛水(たんすい)したもので、池畔に石室が設けられている。山頂からは360度の眺望を楽しめる。山稜(さんりょう)部は露岩地帯で、姿見の池付近は高山植物のお花畑があり、山麓(さんろく)部以下に森林が広がる。旭岳温泉(勇駒別温泉(ゆこまんべつおんせん))と石室付近とはロープウェーで結ばれている。
[岡本次郎]
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…セッコウ泉,47~51℃。大雪山の主峰旭岳の中腹,標高1000mの高原にわき,旭岳温泉ともいう。1914年阿久津啓吉が発見,昭和に入って旭岳の登山基地となり,68年には頂上までロープウェーが通じた。…
…北海道中央部,石狩山地北西部に位置する火山群。北海道の最高峰旭岳(2290m)をはじめ,標高2000m前後の山が十数座あり,〈北海道の屋根〉と称される。北と東を石狩川,南をその支流のヤンベタップ川と忠別川に限られ,西へすそ野を引いている。…
※「旭岳」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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