春駒(読み)はるこま

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

春駒
はるこま

新年に家々をめぐる門付芸の一つ。木でつくった馬の首形にまたがったり,手に持ったりして,祝言を唱えて回る。白馬節会に源をもつとも,蚕業予祝からきたものともいわれる。江戸時代には広く行なわれ,歌舞伎邦楽にも取り入れられた。現在では新潟県佐渡市相川地区や山梨県甲州市の一之瀬高橋,沖縄などの民俗芸能にその面影をとどめる。

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デジタル大辞泉の解説

はる‐ごま【春駒】

《「はるこま」とも》
張り子や練り物で馬の頭の形に作ったものに竹をさして胴とし、その端に車をつけた玩具。子供がこれにまたがって遊ぶ。
門付け芸の一。正月に各戸を回り、馬の首の形をしたものを持ったり、また、これにまたがったりして歌い踊るもの。また、その芸人。民俗芸能として新潟県佐渡地方・山梨県甲州市一之瀬などに伝承されている。 新年》
春、野辺に放ち飼いにした馬。
「立ち放れ沢辺になるる―はおのが影をや友と見るらむ」〈後拾遺・春上〉

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世界大百科事典 第2版の解説

はるこま【春駒】

民俗芸能の一種。歌舞伎舞踊の曲名また郷土玩具の名称。(1)民俗芸能正月の予祝の門付(かどづけ)芸能。万歳が家の予祝,鳥追(とりおい)が農耕予祝とされたのに対し,春駒は養蚕の予祝とされる。宮廷儀式にある白馬節会(あおうまのせちえ)が民俗化したというが不詳。木製の駒の首形を手にした頰かぶり,裁付袴(たつつけばかま)の者が,三味線,太鼓を子に〈めでためでたや春の初めの春駒なんぞ,夢に見てさえよいと申す……〉という祝言歌を唱えて家々の門口に舞い込んだ。

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大辞林 第三版の解説

はるごま【春駒】

春の野に遊ぶ馬。 「たちはなれ沢辺になるる-は/後拾遺 春上
子供の玩具の一。竹の棒の一端に馬の首形をつけ、他端に車をつけたもので、またがって遊ぶ。また、それを模した人形。
新春に来る門付かどづけ芸人。また、その芸能。駒の首形を手にもち、また胴の前後に首と尾をつけて、三味線・太鼓などで囃はやしつつ祝言の歌を歌い、舞う。現在、佐渡や山梨に残る。

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精選版 日本国語大辞典の解説

はる‐ごま【春駒】

〘名〙 (「はるこま」とも)
① 春、若草を求めて野に遊ぶ馬。また、単に馬の意。《季・春》
※類従本小町集(9C後か)「霞たつ野をなつかしみ春駒のあれても君がみえわたるかな」
② 新春の祝いに、馬の頭の作りものを、手に持ったり頭に戴いたりして、戸ごとに歌い舞い歩いた門付(かどづけ)芸人。また、その歌。禁中の白馬節会(あおうまのせちえ)を模倣したものであろうという。《季・新年》
※俳諧・洗濯物(1666)春「春駒の糟毛や汗を一しほり〈政也〉」
③ 馬の頭の形をしたものを竹にさし、その末端に車をつけたもの。子どもが初春にまたいで遊ぶ玩具。
洒落本・善玉先生大通論(1801)序「かの幼稚(こども)の輩(ともがら)〈略〉春駒(ハルコマ)大鼓舞車をのれをのれが好める物に喜戯(たはぶれ)恋著(あそび)
④ 心の勇みはやるさまをたとえていう。
⑤ 鹿児島市の名物で、米の粉、餠の粉、黒糖などを原料として作り、馬の陰嚢(ふぐり)に模した黒褐色の団子餠。

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歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典の解説

春駒
〔浄瑠璃〕
はるこま

歌舞伎・浄瑠璃の外題。
初演
明和8.1(江戸・森田座)

春駒
(通称)
はるこま

歌舞伎・浄瑠璃の外題。
元の外題
対面花春駒 など
初演
寛政3.1(江戸・中村座)

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