デジタル大辞泉 「晦」の意味・読み・例文・類語
かい【晦】[漢字項目]
1 月の末日。「
2 月が出ず、暗い。「晦冥」
3 よくわからない。「晦渋」
4 人に知られない。くらます。「
[難読]
( 1 )語源として単純なキの音節の脱落による(ツキゴモリ→ツゴモリ)という説は、他に類例がなく極めて疑問。意味上対をなすツイタチと音節数の平衡性を保つためにキが脱落したという見方もあるが、上代の複合語形成の原則からは、ツキタチ・ツキゴモリよりもツクタチ・ツクゴモリの方が自然であり、従ってツクゴモリ→ツウゴモリ→ツゴモリという変化過程も考えられる。
( 2 )ツキコモリは興福寺本「日本霊異記」訓釈に見られ、天治本・享和本「新撰字鏡」にはツキコモリ・ツクコモリの両訓が見られるが、特にツクコモリの意味の限定は難しい。上代において、「ツク━」は「太陰」を表わし、「ツキ━」は暦日の「つき」を表わすという意義分化があった可能性もあり、意義の分裂に沿って語形の分裂が起こった可能性も否定できない。