普選運動(読み)フセンウンドウ

百科事典マイペディアの解説

普選運動【ふせんうんどう】

普通選挙権を要求する運動。制限選挙を打破する運動は英国のチャーチスト運動をはじめとして労働者階級の政治意識の向上とともに各国で行われた。日本では普通選挙期成同盟会に始まる。1900年普通選挙同盟会が普選請願書を衆議院へ提出,1902年初めて普選法案が衆議院に上程された。1911年普選法が衆議院を通過したが貴族院で否決された。米騒動後,吉野作造らの民本主義の影響を受けつつ1918年普選同盟会が活動を再開,組織労働者を中心とする広範な民衆の運動が高揚し,1920年東京で7万5000名のデモが行われた。この間,有権者は1900年直接国税10円以上の者に,1919年3円以上の者に拡大された。しかし普選拒否の原敬内閣は議会を解散してこれに対抗し,労働組合,社会主義者はアナルコ・サンディカリスムの影響で運動から後退した。のち既成政党は大衆運動と結合せず,護憲運動(第2次)を展開,1925年加藤高明護憲三派内閣治安維持法と一緒に普選法を制定した。25歳以上の男子に対して財産による選挙権の制限は撤廃されたが,婦人参政権は第2次大戦後まで実現しなかった。→普通選挙法
→関連項目大井憲太郎尾崎行雄木下尚江日本社会党普通選挙

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

世界大百科事典 第2版の解説

ふせんうんどう【普選運動】

男子普選平等選挙権の獲得運動。
[第1期]
 議会に対する請願と大衆への啓蒙を内容とする段階。自由民権運動のなかから,中江兆民らの普選論が生まれたが,それはごく一部で,有権者は納税者に限るという考え方が一般的であった。1892年東洋自由党の党内組織として普通選挙期成同盟会が設立されたが,継続的な運動としては97年,松本に中村太八郎,木下尚江らにより同名の組織が結成されたことに始まる。同盟会は99年東京に進出し,翌年1月第14議会に請願書を提出,1902年第16議会で河野広中花井卓蔵らの名で法案を提出した。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

大辞林 第三版の解説

ふせんうんどう【普選運動】

普通選挙の実現を要求する社会運動。日本では1892年(明治25)大井憲太郎らの普通選挙期成同盟会に始まり、1925年(大正14)治安維持法制定と同時に男子の普通選挙が実現。

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

精選版 日本国語大辞典の解説

ふせん‐うんどう【普選運動】

〘名〙 (「普通選挙運動」の略) 普通平等の選挙権獲得のための大衆的な運動。一八四八年フランスの二月革命以後、世界的に波及。日本では、明治二五年(一八九二)に、大井憲太郎の普通選挙期成同盟会にはじまり、特に大正八年(一九一九)以後、民主主義思想の普及を背景に国民運動として展開され、同一四年第五〇議会で男子のみの普通選挙法が制定された。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

台風一過

台風が通り過ぎたあと、空が晴れ渡りよい天気になること。転じて、騒動が収まり、晴れ晴れとすること。...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android