(読み)さん

日本大百科全書(ニッポニカ)「桟」の解説


さん

戸や板などの板面の片側だけに出ている細長い木のことで、表裏両面に現れているものを框(かまち)とよび区別する。本来は盾(たて)や板、(ふた)などの裏面に打ち付け、板の反るのを防ぐために用いた。現在では障子の骨および戸障子の框の間に組み入れる細長い材をも桟とよぶ。上桟、中桟、下桟、腰桟、胴桟、肘持(ひじもち)桟、襷(たすき)桟、繁(しげ)桟、吸付き桟などがある。また、縦方向のものは縦桟、横方向のものは横桟と称する。このほか、戸締り装置の一種で、戸の框や桟に取り付けてある細長い木片(猿(さる)という)や、和船の舵(かじ)の矧板(はぎいた)と身木を両面から挟み込んで強固に結合するとともに、矧板を補強する材を意味することもある。

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精選版 日本国語大辞典「桟」の解説

さん【桟】

〘名〙
① 板または蓋(ふた)などのそるのを防ぐために打ちつける細長い横木。
太平記(14C後)三〇「一枚楯の裏の筭(サン)を繁く打て、の如く拵らへたりければ」
② 戸、障子などの骨。
吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉五「忽ち障子の桟の三つ目が雨に濡れた様に真中丈色が変る」
板戸雨戸などの戸締りのための木のせん。さる。
坑夫(1908)〈夏目漱石〉「中庭の小窓を明けて、手を洗って、桟を卸すのを忘れて」
④ 木を組み合わせてかけわたした(たな)
床下などにわたす横木。ねだ。
⑥ 木をかけわたして作った道。かけはし。桟道

しぎ【桟】

〘名〙 近世の牛車(ぎっしゃ)の乗り降りに用いるはしご。古くは榻(しじ)を用いたが、近世は車が大きく箱が高くなったため、榻は頸木(くびき)の台として、乗り降りにはこれを用いるようになった。
※謙亭筆記(古事類苑・器用二八)「一、車のしぢとはいかなる物を申候哉、答、車のしぢ、くびきをもたすものを申候、しぎは車よりおり申候時のはしごにて候」

え‐つり【桟】

〘名〙
① 割り木、などをで結び、並べて、屋根や壁の下地としたもの。
書紀(720)顕宗即位前「取り置ける蘆雚は、家長の御心の平なるなり〈蘆雚、此をば哀都利(エツリ)と云ふ〉」

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デジタル大辞泉「桟」の解説

えつり【桟】

かや・わらなどでく屋根の下地として、垂木たるきの上に並べ敷いた細い竹やアシなど。かわら葺きなどの屋根下地にもいう。
壁の下地に組んだり、土蔵の柱の外側に渡した板に取りつけたりする木舞こまい
茶室などで、木と竹とを交互に並べた化粧垂木けしょうだるき桟竹えつりだけ

さん【桟】

戸・障子などの骨組み。
板が反るのを防ぐために、打ちつけたり差し込んだりする横木。
土台や梯子はしごなどに渡す横木。
さる3」に同じ。「を下ろす」

さん【桟〔棧〕】[漢字項目]

常用漢字] [音]サン(漢) []かけはし
険しいがけなどに、架け渡した橋。かけはし。「桟道
[難読]桟敷さじき

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