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歌物語 うたものがたり

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

歌物語
うたものがたり

平安時代の和歌を中心とした短編物語文学。文学史的には,作り物語 (虚構物語) と対比して用いられ,『伊勢物語』『大和物語』『篁物語 (たかむらものがたり) 』など特定の作品をさす。形態としては,『古事記』『日本書紀』の歌謡を伴った神話や,感情表現を和歌をもってする日記,あるいは詠歌の事情を詳しく記した詞書をもつ私家集などとよく似ているが,歌物語は「歌語り」と呼ばれる和歌にまつわるある人物の逸話から発展した物語であることを基本的性格とする。

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デジタル大辞泉の解説

うた‐ものがたり【歌物語】

平安時代の、和歌を中心としてまとめられた短編物語。また、短編物語集。伊勢物語平中物語大和物語の類。
歌語り」に同じ。
「故殿の―を書き設けて」〈栄花・浅緑〉

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百科事典マイペディアの解説

歌物語【うたものがたり】

平安時代に行われた物語文学の一様式。一般的には,1首から数首の和歌を中心に構成された短編の物語集のことをいい,その代表的なものが《伊勢物語》。《平中物語》や《大和物語》をこの系列に数えることができる。
→関連項目一条摂政御集歌語唐物語篁物語物語文学

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世界大百科事典 第2版の解説

うたものがたり【歌物語】

平安中期の物語の一様式をあらわす文学用語。語彙としては二義あり,一つは早く《栄華物語》(〈浅緑〉)にもみえ,歌にまつわる小話の意で,当時〈うたがたり〉と呼ばれた口承説話とほぼ同一内容のものと思われる。二つは近代に入ってからの新しい用法で,《竹取物語》《宇津保物語》などを〈作り物語〉と古くから呼んできたのに対して,《伊勢物語》《大和(やまと)物語》《平中(へいちゆう)物語》の三つを新しく区別して呼んだのであり,文学史記述の便宜から生じた用語である。

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大辞林 第三版の解説

うたものがたり【歌物語】

歌を中心とした物語。また、特定の歌に関する物語。うたがたり。
平安前期の物語の一種。特定の歌を核として、それにまつわる物語を展開したもの。また、そのような短い物語・説話を集めた作品。「伊勢物語」「大和物語」など。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

歌物語
うたものがたり

物語文学の重要な一形態で、和歌を中心とする短い物語、またはそれらを集めた物語集。これは平安時代の10世紀に集中的に制作され、『伊勢(いせ)物語』『大和(やまと)物語』『平中(へいちゅう)物語』がその代表的な作品である。古くから、和歌についてその作者や作歌事情などを口頭で語り伝える「歌語り」と称せられるものがあったらしいが、とくに9世紀なかばの和歌再興期以後、実在の人物の和歌がどのような事情で詠まれたかに深い関心が寄せられ、それが宮廷社会で「歌語り」として語られるようになった。歌物語はそうした「歌語り」を物語として洗練させながら、作中人物の、歌を詠まざるをえない心情の経緯を語ろうとしている。しかし、歌と物語内容とのかかわり方はかならずしも同一でなく、歌そのものが主題を担う場合もあれば、話の内容自体に重点の置かれる場合もある。もとより歌を交えながら話を語るという方法は、その伝統を古代の記紀歌謡にまでさかのぼれるのであり、根が深い。10世紀初頭の、最初の物語と目される『竹取物語』は歌物語ではない作り物語であるが、それにも歌が含まれている。
 歌物語自体は10世紀に限られるが、そこでの、歌を詠まざるをえない心情のあり方、散文と歌の緊張的なかかわり方などという歌物語固有の方法が、11世紀以後の『源氏物語』その他の物語に受け継がれていく。[鈴木日出男]
『阿部俊子著『歌物語とその周辺』(1969・風間書房)』

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