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正犯 せいはんTäter; Täterschaft

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

正犯
せいはん
Täter; Täterschaft

みずから各犯罪の基本的構成要件に該当する行為を行う者。狭義の共犯 (教唆犯幇助犯) に対する概念である。行為者がみずから手を下す場合を直接正犯という。これに対し,他の人間をあたかも道具として利用して犯罪を実行する場合を間接正犯と呼ぶ。一般に犯罪構成要件は,1人の行為者が単独で犯罪を実行した場合 (単独正犯) を予定している。これに対し,数人の行為者が共同して犯罪を実行した場合を共同正犯 (刑法 60) という。正犯とは,犯罪について第一次的な責任を問われる中心的存在を指す概念である。

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百科事典マイペディアの解説

正犯【せいはん】

自ら犯罪の実行行為をする者。共犯に対する。通常は1人で実行行為をする単独正犯をさすが,間接正犯を含む。また共同正犯も含めて用いることもある。
→関連項目教唆軽犯罪法従犯騒乱罪

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大辞林 第三版の解説

せいはん【正犯】

刑法上、犯罪行為を自ら行うこと。各犯罪の構成要件に該当する行為を自ら行うこと。また、そうした行為を行なった者。 → 共犯主犯

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

正犯
せいはん

自ら犯罪を実行すること。これに対し、共犯(狭義)は、他人が犯罪を実行するにあたり、これに加担することをいう(教唆犯、従犯がこれにあたる)。正犯と共犯とを区別する基準につき、従来、いくつかの見解がある。主観説によれば、両者は、正犯者の意思か共犯者(加担者)の意思かにより区別されるが、客観説によれば、犯罪実現に「原因」を与えるか、単に「条件」を与えたにすぎないか、によって区別された。その後、正犯の概念につき、制限的正犯論と拡張的正犯論とが現れた。前説によれば、正犯とは、自ら直接的に犯罪を実現した場合であるとされるのに対し、後説では、犯罪の実現になんらかの形で参画すれば、すべて正犯である、と解された。しかし、制限的正犯論では、間接正犯の正犯性が根拠づけられないとの批判があり、拡張的正犯論も、犯罪実現にとって客観的に果たした役割の違いが無視されている、との批判が強い。そこで、今日では、正犯の概念や正犯と共犯の区別につき、さまざまな見解がみられるが、いまなお定説は存在しないといってよい。
 なお正犯にも、正犯者の数の面から、単独正犯と共同正犯とがあり、また、犯罪の実現が直接か間接かにより、直接正犯と間接正犯とが区別されている。[名和鐵郎]
『西原春夫著『犯罪実行行為論』(1998・成文堂) ▽橋本正博著『「行為支配論」と正犯理論』(2000・有斐閣) ▽島田聡一郎著『正犯・共犯論の基礎理論』(2002・東京大学出版会)』

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