水酸化カルシウム(読み)すいさんかカルシウム(英語表記)calcium hydroxide

  • すいさんかカルシウム スイサンクヮ‥
  • すいさんかカルシウム〔スイサンクワ〕
  • 水酸化カルシウム calcium hydroxide

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

化学式 Ca(OH)2消石灰ともいう。酸化カルシウム (生石灰) CaO に水を作用させてつくる。無色結晶。 100℃で分解しはじめ,580℃以上で完全に酸化カルシウムになる。塩化アンモニウム水溶液に可溶,エチルアルコールに不溶である。二酸化炭素の吸収剤,モルタルセメントの原料,殺虫剤や医薬品として用いられる。

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百科事典マイペディアの解説

化学式はCa(OH)2。比重2.24。生石灰に水を作用させると得られる無色の粉末。消石灰とも。水にわずかに溶け,水溶液(石灰水)は強いアルカリ性を示す。さらし粉,モルタルなどの製造原料,腐食剤,酸性土の中和剤として利用。
→関連項目酸化カルシウム石灰石灰肥料

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世界大百科事典 第2版の解説

化学式Ca(OH)2。消石灰slaked limeともいう。酸化カルシウムCaO(生石灰)に水を作用させると,強く発熱してこの物質に変化する。この変化を生石灰の消和slakingと呼ぶ。 CaO+H2O―→Ca(OH)2白色の粉末で,比重2.24。水には比較的溶けにくいうえ,高温になるとさらに不溶になる。水100gへの溶解度は0.18g(0℃),0.13g(50℃),0.077g(100℃)。しかし溶けた部分は強いアルカリ性を示すので,最も安価なアルカリ源として工業上きわめて広く用いられる。

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大辞林 第三版の解説

酸化カルシウム(生石灰)に水を加えると生じる白色の塩基性粉末。化学式 Ca(OH)2 水に少し溶けて石灰水を生じる。消毒剤・酸性土壌の中和剤、さらし粉の原料、漆喰しつくい・モルタルの材料として用いる。消石灰。石灰いしばい

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

カルシウムの水酸化物。消石灰ともいう。酸化カルシウム(生石灰)に水または水蒸気を作用させると得られる(生石灰の消和)。急速に生成したものは白色粉末であるが、水中に放置すると六方晶系の板状晶に変わる。加熱すると580℃で水蒸気を出して分解し、酸化カルシウムに戻る。
  Ca(OH)2→CaO+H2O
 水にわずかしか溶けず、しかも温度が上昇すると溶解度はかえって減少する。水溶液は石灰水とよばれ、強いアルカリ性を示す。工業的には懸濁液の形で使われることが多く、これは石灰乳とよばれる。固体または溶液の状態で二酸化炭素を吸収し、水に不溶性の炭酸カルシウムに変わる。
  Ca(OH)2+CO2→CaCO3+H2O
 また、塩素を吸収して次亜塩素酸カルシウム(高度さらし粉の主成分)を生成する。
 水酸化カルシウムは安価な強アルカリ物質なので、酸性廃棄物の処理剤、酸性土壌の中和剤、消毒剤などとして用いられる。化学工業ではさらし粉の原料となるほか、反応用アルカリとして広く利用され、建築分野でもモルタル、漆食(しっくい)の材料として重要である。[鳥居泰男]

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精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙 (カルシウムはcalcium) カルシウムの水酸化物。化学式 Ca(OH)2 無色、六方晶系の板状結晶。ふつうは少量の水を含んだ白色粉末。水溶液の石灰水は強アルカリ性。酸性土壌の中和剤、モルタル原料、さらし粉の製造、工業用の塩基、医薬品などに広く用いられる。消石灰。水化石灰。石灰(いしばい)

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化学辞典 第2版の解説

Ca(OH)2(74.09).消石灰ともいう.酸化カルシウムと水とを反応させるか,またはカルシウム塩の水溶液に水酸化アルカリを加えると得られる.無色の六方晶系結晶.密度2.24 g cm-3.580 ℃ で完全に分解し,水を失って酸化カルシウムとなる.水にはわずかに溶けて強い塩基性を示す.水100 g に対する溶解度は0.18 g(0 ℃),0.13 g(50 ℃),0.077 g(100 ℃).水溶液は石灰水とよばれる.アンモニウム塩水溶液に加えるとアンモニアを遊離し,酸に溶けてカルシウム塩をつくる.空気中では二酸化炭素を吸収して炭酸カルシウムを生じる.塩素を作用させるとさらし粉ができる.炭酸ナトリウムと反応して水酸化ナトリウムを生じる.安価な強塩基物質として土壌の中和剤などに使用される.また,しっくい,モルタルの原料,防火塗料,さらし粉,パルプ,カルシウム塩の製造,皮なめし,有機合成,二酸化炭素の吸収剤,食品添加剤,凝固剤,消毒剤,医薬品,化粧品などに用いられる.[CAS 1305-62-0]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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