頂法寺(読み)チョウホウジ

デジタル大辞泉 「頂法寺」の意味・読み・例文・類語

ちょうほう‐じ〔チヤウホフ‐〕【頂法寺】

京都市中京区にある天台系の単立寺院山号紫雲山西国三十三所第18番札所。聖徳太子如意輪観音を安置した六稜の小堂に始まると伝え、のち嵯峨天皇勅願所親鸞しんらんが百日参籠さんろうをしている。本坊池坊いけのぼうといい、華道家元の称。通称、六角堂。→池坊流

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精選版 日本国語大辞典 「頂法寺」の意味・読み・例文・類語

ちょうほう‐じチャウホフ‥【頂法寺】

  1. 京都市中京区堂之前町にある単立寺院。もと天台宗の寺。山号は紫雲山。聖徳太子の創建と伝え、嵯峨天皇の勅願寺親鸞が二九歳のとき、この寺で百日間の参籠を行ない、本尊の夢告を得て法然を尋ね、その教えに帰したといわれる。専慶をはじめとする立花の名人を多く出した池坊(いけのぼう)がある。本堂が六角形であるところから、六角堂の通称がある。西国三十三所の第一八番札所。

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日本歴史地名大系 「頂法寺」の解説

頂法寺
ちようほうじ

[現在地名]中京区堂之前町

本堂の構造が六角になっていることから俗に六角ろつかく堂とよばれる。紫雲山と号し、天台系単立寺院。本尊如意輪観音。境内には本堂・庫裏・太子堂・親鸞堂があり、鐘楼は六角通を隔てた飛地境内にある。西国三十三所観音霊場の第一八番札所。

〈京都・山城寺院神社大事典〉

〔開創伝承〕

六角堂縁起(大日本仏教全書)に、「山背国平(京)愛宕郡六角堂如意輪観音、淡路国巌屋海ニ小韓櫃ニ入テ乍打寄也、而聖徳太子取開見之処、即如意輪観音也、為持仏太子与守屋合戦之間、誓願云、戦若勝畢ナハ可立四天王者、我有其利思勝畢ハ、欲立四天王寺、採材木於山城国愛宕杣之ふもと、奉本尊於多良樹水、(中略)吾為汝本尊既経七世、於今者於此処益蠢々衆生也」とあり、太子の守本尊である如意輪観音を安置して、一堂を建立したことに始まるという。寺伝によると、太子が四天王寺建立の採材に際し愛宕おたぎ郡土車里に来たとき霊夢によって六角の小堂を建立し観音像を安置したのに始まるといい、これを現在地とする。「元亨釈書」には、平安遷都のとき堂宇が街路の中央にあったため五丈ほど北方に移したとあり、現在門内右前の臍石と称するものが以前の堂の中心であったといわれる。

〔観音信仰〕

平安時代中頃からの観音信仰の高まりのなかで、当寺の観音も貴紳・衆庶の信仰を集めた。「小右記」には「今日節会、早旦修諷誦六角堂」(寛仁二年一一月二二日条)といった記事が頻出し、この頃盛んに崇信されていたことが知られる。また「長秋記」元永二年(一一一九)七月二〇日条には「今日若宮御祈、神社五所、仏寺七所、被修諷誦、神社八幡、賀茂、祇園、北野、吉田、仏寺清水寺、広隆寺、六角堂、延暦寺、法勝寺、尊勝寺、最勝寺等也」とあり、当時の有力社寺と比肩している。とくに「中右記」長承元年(一一三二)三月一七日条に「三宝上吉已当十八日、参詣清水寺・六角堂之輩数千万、此雨成妨也歟」とあるように、観音の縁日には多数の参詣者があった。そのほか藤原実資・藤原忠季・藤原為隆などの貴族の信仰・参詣の記事が散見するが、一般庶民の信仰をも集めていたのが当時の六角堂の特色である。

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百科事典マイペディア 「頂法寺」の意味・わかりやすい解説

頂法寺【ちょうほうじ】

京都市中京区六角通り東洞院にある単立(もと天台宗)の寺。本堂の形にちなみ,六角堂と通称する。聖徳太子が念持仏の如意輪観音を安置したのに始まり,1190年親鸞が参籠(さんろう)し霊夢を見て法然に帰依したと伝える。西国三十三所13番札所。境内の執行所である池ノ坊は花道の池坊流発祥の地。→池坊

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改訂新版 世界大百科事典 「頂法寺」の意味・わかりやすい解説

頂法寺 (ちょうぼうじ)

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事典・日本の観光資源 「頂法寺」の解説

頂法寺(第18番)

(京都府京都市中京区)
西国三十三箇所」指定の観光名所。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「頂法寺」の意味・わかりやすい解説

頂法寺
ちょうほうじ

六角堂

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世界大百科事典(旧版)内の頂法寺の言及

【六角堂】より

…京都市中京区にある天台宗の寺。本堂が六角形なので六角堂と通称されるが,正称は紫雲山頂法(ちようほう)寺。西国三十三所観音霊場の第18番札所。…

※「頂法寺」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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