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無水フタル酸 むすいフタルさんphthalic anhydride

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

無水フタル酸
むすいフタルさん
phthalic anhydride

化学式 C8H4O3フタル酸無水物。特異臭をもつ針状晶。融点 (封管中) 131~132℃,沸点 284.5℃。昇華性がある。ナフタリンo -キシレンを酸化バナジウムなどを触媒として空気酸化して工業生産される。アルキド樹脂原料,色素 (フェノールフタレイン ) ,染料中間体 (アントラニル酸 ) などの原料となる。また,プラスチック可塑剤として用いられる。フタル酸エステルの原料としても重要である。

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デジタル大辞泉の解説

むすい‐フタルさん【無水フタル酸】

示性式C6H4(CO)2Oで表される芳香族化合物フタル酸を加熱し脱水して得られる酸無水物。白色の固体で、特徴的な臭いがある。工業的にはオルトキシレンナフタレンを酸化して製造する。塩化ビニル樹脂を柔らかくする可塑剤や、ポリエステル樹脂・合成樹脂塗料・染料顔料などの原料として使用される。1,3-イソベンゾフランジオン。

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百科事典マイペディアの解説

無水フタル酸【むすいフタルさん】

フタル酸の2個のカルボキシル基から1水分子がとれた構造を有する環式酸無水物。昇華性の無色の結晶。融点131.8℃(封管中),沸点285℃。水に微溶。加水分解によりフタル酸になる。アルキド樹脂や可塑剤の原料,染料中間体などとして多量に用いられる。ナフタレンまたはo‐キシレンの空気酸化により製造される。(図)

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世界大百科事典 第2版の解説

むすいフタルさん【無水フタル酸 phthalic anhydride】

フタル酸の2個のカルボキシル基から1分子の水がとれた構造をもつ環式酸無水物。昇華性のある無色の針状結晶。融点131.8℃,沸点285℃。エーテルに微溶,アルコールに可溶。水にわずかに溶け,水中で徐々に加水分解されてフタル酸になる。フタル酸を加熱して脱水すると得られるが,工業的には五酸化バナジウムを触媒とするナフタレンやo‐キシレンの空気酸化(400~460℃)により製造される。ポリエステル樹脂や可塑剤(フタル酸ジオクチルなど)の原料として大量に用いられるほか,フェノールフタレイン,フルオレセイン,エオシンなどの色素や塗料,医薬品,香料等の原料としても重要である。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

無水フタル酸
むすいふたるさん
phthalic anhydride

酸無水物の一つで、フタル酸の二つのカルボキシ基(カルボキシル基)から1分子の水がとれた構造をもつ。
 フタル酸を加熱して脱水すると得られるが、工業的には五酸化バナジウムを触媒としてナフタレンまたはo(オルト)-キシレンを気相で酸化して製造する。無色の針状結晶で昇華性がある。水にはわずかに溶け、徐々に加水分解されてフタル酸になる。エーテルにもわずかに溶ける。プラスチックの可塑剤であるフタル酸ジオクチルなどのフタル酸エステルの製造や、アルキド樹脂、フェノールフタレイン、フルオレセイン、エオシンなどの染料、医薬の合成原料として用いられる。[廣田 穰]

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