犬馬の労(読み)ケンバノロウ

デジタル大辞泉 「犬馬の労」の意味・読み・例文・類語

犬馬けんばろう

主君他人のために力を尽くして働くことをへりくだっていう語。「犬馬の労をいとわない」
[類語]助力助勢助けるける手伝う手助け幇助ほうじょ加勢助太刀すけだち力添え協力援助応援支援後押しり立てるバックアップフォロー力を貸す手を貸す肩を貸す一肌脱ぐ片肌脱ぐ肩を持つ与する補助補佐

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精選版 日本国語大辞典 「犬馬の労」の意味・読み・例文・類語

けんば【犬馬】 の 労(ろう)

  1. ( 犬や馬程度の働きの意 ) 主君または他人のために力を尽くすことをへりくだっていう語。また、身を低くして、他人のために仕事をすることをもいう。
    1. [初出の実例]「臣等柱石の才なしといへども、犬馬(ケンバ)の労(ロウ)を竭(つく)し候ひなん」(出典読本椿説弓張月(1807‐11)続)

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故事成語を知る辞典 「犬馬の労」の解説

犬馬の労

主君や上司など、目上の人のために力を尽くすことを、へりくだっていうことば。また、身を低くして、他人のために仕事をすること。

[使用例] 将来の出世が望めそうなのだ。だから、その上役のためには犬馬の労をつくそうと思う[松本清張*点と線|1957~58]

[由来] 中国で昔から、主君に対して自分の苦労を謙遜して指し示す際に使われた表現。たとえば、二世紀の終わり、後漢王朝の末期に、曹操そうそうという武将皇帝に差し出した文書には、「自分の身を振り返ってみますに、『犬馬のろう有りといえども(犬や馬程度のちょっとした働きはいたしましたが)』、私だけの力ではありません、すべて部下たちのおかげです」という一節があります。ちなみに、このように謙遜していた曹操は、やがて後漢王朝の実権を握り、その子どもの代には、後漢を滅ぼして新たな王朝を創始することになります。

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