少年法第3条で定められる非行少年をさす。規定は罪を犯した少年を家庭裁判所の審判に付するとしている。触法少年との関係でいえば、14歳以上20歳未満の少年である。罪を犯すとは刑法学でいう犯罪のことをいう。この犯罪のなかには訴追条件で告訴がなければ訴追できない親告罪も含まれる。これまで強姦(ごうかん)罪はこの例に相当していたが、2017年(平成29)の刑法改正によって強制性交等の罪に変更され非親告罪となり、告訴がなくても訴追できる犯罪となった。また、親告罪の例のほかに、窃盗事件など親族間の犯罪で刑の免除がなされるとする特例の場合(親族相盗例)も審判の対象となる。少年法立法以来長い間14歳から16歳までの少年を検察官に送致することができないとしていて、この年齢層の少年には刑事処分を科すことができなかった。しかし、2000年(平成12)の改正により、刑法の未成年年齢にあわせて、14歳以上の少年は刑事処分に付することができるようになった。とくに故意に人を死亡させた16歳以上の少年は、原則として検察官に送致されることになっている。ただし、少年法は成人との違いを認め、18歳未満の少年には死刑を科さない、不定期刑による処遇といった刑の緩和の特例などを定めている。
[渡辺則芳 2018年1月19日]
『守屋克彦著『少年の非行と教育――少年法制の歴史と現状』POD版(2002・勁草書房)』▽『森田明著『少年法の歴史的展開――「鬼面仏心」の法構造』(2005・信山社出版)』▽『守屋克彦・斎藤豊治編『コンメンタール少年法』(2012・現代人文社)』▽『澤登俊雄著『少年法入門』第6版(2015・有斐閣)』▽『田宮裕・廣瀬健二編『注釈少年法』第4版(2017・有斐閣)』▽『守山正・後藤弘子編著『ビギナーズ少年法』第3版(2017・成文堂)』
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出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…少年審判の対象となるのは次のいずれかに該当する少年に限られる。(1)犯罪少年 14歳以上で罪を犯し,現在20歳未満の者。(2)触法少年 14歳未満で刑罰法令に触れる行為をした者。…
…その行為の主体者を非行者delinquentといい,少年にも成人にもあてはまるが,一般には青少年の反規範行為に対して用いられ,〈少年非行juvenile delinquency〉という場合が多い。日本の少年法では,(1)14歳以上20歳未満で刑法に触れる罪を犯した少年を〈犯罪少年〉,(2)14歳未満で刑法に触れる行為をした少年を〈触法少年〉,(3)保護者への反抗や不良交遊等の傾向が強く将来罪を犯すおそれのある少年を〈虞犯(ぐはん)少年〉と規定している。
[少年非行の動向と特徴]
第2次大戦後における少年非行の推移を刑法犯検挙人員の人口比(人口1000人に対する割合)でみると,三つの大きな波がみられる。…
※「犯罪少年」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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