玉繭(読み)たままゆ(英語表記)double cocoon

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「玉繭」の解説

玉繭
たままゆ
double cocoon

同功繭ともいう。2頭またはそれ以上の熟蚕がつくる1個の。2頭の熟吐糸が不規則に重なり合っているので,繰糸が困難であり,選除繭とされている。できる割合品種 (まぶし) の種類によって違うが,上蔟 (じょうぞく) の際熟蚕を1つの蔟に多く入れすぎたり,過熟蚕を上蔟する場合にも多くなる。また一般に上蔟の際に高温多湿であるときも多くなる。玉繭からした生糸玉糸といい,糸にがあるが,織布はじょうぶで銘仙真綿などの原料となる。

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精選版 日本国語大辞典「玉繭」の解説

たま‐まゆ【玉繭】

〘名〙
① (「たま」は美称) りっぱな繭。
※類従本堀河百首(1105‐06頃)恋「あしふきのこやの玉まゆいつのまにいとかく計くるしかる〈源顕仲〉」
② 二匹の蚕がいっしょに作った繭。ふつうの繭のような中央のくびれがなく大形である。同功繭。《季・夏》

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世界大百科事典 第2版「玉繭」の解説

たままゆ【玉繭】

2匹まれには3匹以上のカイコが共同して作った繭。同功繭(どうこうけん)ともいう。玉繭は1匹のカイコの作った繭と比べ,その形状は大型で短楕円あるいは円形のものが多いが,なかには複雑な奇形を呈するものがある。繭層は厚く,ちぢら(繭層表面のちりめん状のしわ)はあらく不鮮明である。玉繭が形成されるのは品種的差異による影響が強いとされ,一般にヨーロッパ種は少なく,日本種が多いといわれる。しかし,最近の実用品種は日本種といってもヨーロッパ種の血統が入っているため少なくなり,むしろ中国種の方が多い。

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世界大百科事典内の玉繭の言及

【紬】より

…また今日では必ずしも紬糸によらない織物でも,できあがった織りの風合いが紬らしい粗い感じをもっているものを〈紬〉と称していることもある。すなわち玉繭(たままゆ)(一つの繭を2匹以上の蚕がつくった繭)からとった玉糸や山繭糸(ヤママユ)を用いて織ったものを〈山繭紬〉などと称し,反対にたとえば大島紬のように,現在の品はまったく紬の風合いを失ってしまったものでも,かつての名称どおり〈紬〉と称しているものもある。したがって〈紬〉と通称される織物も,材質的にみた場合とできあがった外観を主としていった場合とは,その間に多少のくい違いがある。…

※「玉繭」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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