デジタル大辞泉
「疎か」の意味・読み・例文・類語
おろ‐か【▽疎か】
[形動][文][ナリ]
1 (「…はおろか」「…もおろか」などの形で)言うまでもないことである。もちろん。「掃除は疎か、布団を上げたこともない」
2 いいかげんに扱うさま。思いやりが薄いさま。おろそか。
「―にそ我は思ひし乎布の浦の荒磯の巡り見れど飽かずけり」〈万・四〇四九〉
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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おろ‐そか【疎そか・踈そか・麁そか】
- 〘 形容動詞ナリ活用 〙 ( 「おろ」は「おろか」「おろおろ」などと同じく「不完全・不十分」の意。「そか」は状態を表わす接尾語 )
- ① 飾りたてず簡素なさま。粗末なさま。
- [初出の実例]「但し其の葬事(のちのわざ)は軽易(オロソカナル)を用ゐむ」(出典:日本書紀(720)天智八年一〇月(北野本訓))
- 「順徳院の禁中の事ども書かせ給へるにも、公の奉り物は、おろそかなるをもてよしとすとこそ侍れ」(出典:徒然草(1331頃)二)
- ② まばらなさま。ばらばらに乱れたさま。つくりのあらいさま。
- [初出の実例]「当に世世に牙歯疎(オロソカ)に欠け、唇醜く〈略〉、眼目角
(すがめ)になるべし〈興福寺本訓釈 疎 於呂曾可爾(オロソカニ)〉」(出典:日本霊異記(810‐824)上) - 「一足も出られる様な、おろそかな透間(すきま)といふがなひ故に」(出典:人情本・春色梅美婦禰(1841‐42頃)四)
- ③ 物事や人の扱いなどに心を入れないで、なおざりであるさま。いいかげん。疎略。不十分。不注意。
- [初出の実例]「念誦若し、簡(オロソカニ)すれば、其の光即ち小し」(出典:天理本金剛般若経集験記平安初期点(850頃))
- ④ よそよそしいさま。親しくうちとけていないさま。
- [初出の実例]「生める子のやうにあれど、いと心恥づかしげに、をろそかなるやうに言ひければ」(出典:竹取物語(9C末‐10C初))
- ⑤ つたないさま。すぐれないさま。不足でよくないさま。
- [初出の実例]「前生の運をろそかにして、身に過たる利生にあづからず」(出典:宇治拾遺物語(1221頃)四)
疎かの語誌
①②の意から出て中古には③の意が生じ、「おろか」と重なりを持った。中世以後、「おろか」は「愚」に、「おろそか」は「疎略」に分化してゆき、近代に至る。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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