疎そか・踈そか・麁そか(読み)おろそか

精選版 日本国語大辞典の解説

〘形動〙 (「おろ」は「おろか」「おろおろ」などと同じく「不完全・不十分」の意。「そか」は状態を表わす接尾語)
① 飾りたてず簡素なさま。粗末なさま。
※書紀(720)天智八年一〇月(北野本訓)「但し其の葬事(のちのわざ)は軽易(オロソカナル)を用ゐむ」
※徒然草(1331頃)二「順徳院の禁中の事ども書かせ給へるにも、公の奉り物は、おろそかなるをもてよしとすとこそ侍れ」
② まばらなさま。ばらばらに乱れたさま。つくりのあらいさま。
※霊異記(810‐824)上「当に世世に牙歯疎(オロソカ)に欠け、唇醜く〈略〉、眼目角(すがめ)になるべし〈興福寺本訓釈 疎 於呂曾可爾(オロソカニ)〉」
※人情本・春色梅美婦禰(1841‐42頃)四「一足も出られる様な、おろそかな透間(すきま)といふがなひ故に」
③ 物事や人の扱いなどに心を入れないで、なおざりであるさま。いいかげん。疎略。不十分。不注意。
※天理本金剛般若経集験記平安初期点(850頃)「念誦若し、簡(オロソカニ)すれば、其の光即ち小し」
④ よそよそしいさま。親しくうちとけていないさま。
※竹取(9C末‐10C初)「生める子のやうにあれど、いと心恥づかしげに、をろそかなるやうに言ひければ」
⑤ つたないさま。すぐれないさま。不足でよくないさま。
※宇治拾遺(1221頃)四「前生の運をろそかにして、身に過たる利生にあづからず」
[語誌]①②の意から出て中古には③の意が生じ、「おろか」と重なりを持った。中世以後、「おろか」は「愚」に、「おろそか」は「疎略」に分化してゆき、近代に至る。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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