安直(読み)アンチョク

デジタル大辞泉 「安直」の意味・読み・例文・類語

あん‐ちょく【安直】

[名・形動]
価格が安いこと。また、そのさま。
ぐそこのパッサージュに―な伊太利亜の料理屋がある」〈荷風・ふらんす物語
簡単で手軽なさま。また、いい加減なさま。「安直方法ではだめだ」
[派生]あんちょくさ[名]
[類語](1安い安値廉価安価安め割安格安低廉安上がり徳用/(2安易気軽簡単甘い手ぬるい生ぬるい甘っちょろいいいかげん手軽てがる適当杜撰ずさん放漫漫然閑却等閑とうかんなおざりお座なりおろそかゆるがせ粗末でたらめぞんざい投げ遣りちゃらんぽらん易きに付く

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精選版 日本国語大辞典 「安直」の意味・読み・例文・類語

あん‐ちょく【安直】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形動 )
  2. 値が安く、手軽に入手できること。やすね。安価。
    1. [初出の実例]「今朝噂(うわさ)にて直段(ねだん)も安直になりまして大入となりました」(出典:続歌舞妓年代記(1907)二八)
  3. 気軽なこと。容易なこと。しかつめらしくないこと。ちょく。
    1. [初出の実例]「からかふには至極適当で、至極安直で、至極無事な男である」(出典:吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉八)

あん‐ちょこ【安直】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「あんちょく」の変化した語 ) 教科書にある問題解答古文・漢文・英文の訳を掲げた解説書をいう、学生用語。虎の巻。
    1. [初出の実例]「本屋が教科書の解説をした小冊子を発行してゐる。これをアンチョコと呼ぶ。安直に下調べが出来るからであらう」(出典:全権先生(1932)〈佐々木邦〉日曜の朝)

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