デジタル大辞泉
「杜撰」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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ず‐さんヅ‥【杜撰】
- 〘 名詞 〙 ( 古く「ずざん」とも )
- ① 詩文などで、典拠の正確でないことを述べること。あやまりの多い著作。
- [初出の実例]「至二彼之雌霓〈略〉弄麞〈略〉林四郎之杜撰(ヅザン)一亦無レ不二質而改一レ之」(出典:元和本下学集(1617)序)
- 「後人偽作する所の書も、定家卿の名を冒して杜撰甚しきものあり」(出典:国歌八論(1742)古学)
- [その他の文献]〔野客叢書‐巻二〇・杜撰〕
- ② ( 形動 ) あやまり多く、いいかげんなこと。ぞんざいで手ぬかりが多いこと。また、そのさま。でたらめ。粗漏(そろう)。
- [初出の実例]「いまの杜撰の長老等、みだりに宗の称をもはらする」(出典:正法眼蔵(1231‐53)仏道)
- 「神経質でありながら、案外ずさんなところのある彼は」(出典:さい果て(1964‐71)〈津村節子〉一)
- ③ ( ━する ) うっかりまちがえること。
- [初出の実例]「昧者(まいしゃ)之を杜撰(ヅサン)して麒麟(きりん)と云」(出典:造化妙々奇談(1879‐80)〈宮崎柳条〉二編)
杜撰の語誌
( 1 )ズ(ヅ)は「杜」の呉音、サンは通常センと訓む「撰」の別の音。中国の宋代に話題となったことばで、日本には禅を通じて入ったようである。
( 2 )「撰」は詩歌や文章を著作し編集する意であるが、「杜」については説が分かれている。宋代の詩人杜黙の作る詩が音律に合わないことが多いところから「杜撰」の語ができたとする語源説〔野客叢書〕によれば、「杜」は杜黙を指していることになる。この他、道家の書五千巻を撰した杜光庭を指す説もあり、「杜」を人名と見る説が多い。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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杜撰
でたらめなこと。また、誤りが多くていい加減なこと。
[使用例] 神経質でありながら、案外ずさんなところのある彼は[津村節子*さい果て|1964~71]
[由来] 「[野客叢書]―二〇・杜撰」に見える話から。「杜黙の詩を為るや、多く律に合わず(杜黙という人が作る詩は、漢詩のきまりを守っていないものが多かった)」ので、きまりに合わないもののことを「杜撰」というようになった、とあります。ただし、このことばの由来については、他の説もあります。なお、「撰」とは、選ぶことを意味する漢字で、文字を選んで詩文を作ることを表します。
出典 故事成語を知る辞典故事成語を知る辞典について 情報
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