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発疹熱 はっしんねつmurine typhus

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

発疹熱
はっしんねつ
murine typhus

「ほっしんねつ」ともいう。熱性感染症の一つ。発疹チフスと似た症状を示すが,死亡率は低い。リケッチア Rickettsia mooseriを病原体とし,イエネズミにつくノミが媒体となる。8~10日の潜伏期を経て高熱が出,1週間ぐらい続く。第2病日頃から全身に発疹が現れる。治療方法は発疹チフスの場合とほぼ同様である。

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デジタル大辞泉の解説

ほっしん‐ねつ【発×疹熱】

リケッチアの一種チフイが感染して起こる感染症。ネズミのノミが媒介する。発疹チフスに似て発熱・発疹がみられるが、症状は軽い。はっしんねつ。

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百科事典マイペディアの解説

発疹熱【はっしんねつ】

発疹チフスによく似ているが,より軽症のリケッチア性伝染病。潜伏期8〜10日。ネズミにたかるノミに媒介される。死亡することはほとんどない。治療も発疹チフスに準じる。

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家庭医学館の解説

ほっしんねつ【発疹熱 Murine Typhus】

[どんな病気か]
 リケッチアによる感染症で、症状が発疹チフスに似ていますが、病気自体は軽く、生命にかかわることもないので、法的規制はありません。
 リケッチアは、イエネズミが保有し、ノミの媒介(ばいかい)で人間に感染します。
 世界中に存在する病気ですが、メキシコ湾沿岸や南地中海沿岸が多発地域です。
 日本での発生は少ないのですが、ときに関西以西の地域に発生することがあります。
●流行する季節
 夏から秋にかけて散発的に発生しますが、それ以外の季節に発生することもあります。
[症状]
 潜伏期間は6~14日です。寒け、発熱、頭痛で始まります。熱は階段状に上昇して、2~3日で39℃前後の高熱になり、1週間くらい続いてしだいに下がります。
 発病3日目ころから、直径2mm前後の小紅斑(しょうこうはん)が、胸から四肢(しし)(手足)にかけてまばらに現われ、5日くらい続きます。
 そのほか、筋肉痛、関節痛、目の充血(じゅうけつ)もおこります。
[治療]
 テトラサイクリンとクロラムフェニコールが特効薬です。
 人から人への感染はないといわれていますが、感染を防ぐため、殺虫剤でノミを駆除(くじょ)します。ネズミの駆除も必要です。
 予防接種がありますが、病気が軽症で、有効な抗生物質があるのであまり行なわれていません。

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大辞林 第三版の解説

ほっしんねつ【発疹熱】

リケッチアにより起こる軽い発疹チフスに似た症状をきたす病気。発熱と淡紅色から暗赤色に変わる発疹をみる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

発疹熱
はっしんねつ
murine typhus

「ほっしんねつ」ともいい、発疹チフスによく似た急性伝染病であるが、症状は比較的軽く、死亡の危険もない。病原体は発疹熱リケッチアRickettsia mooseriで、イエネズミが保有し、ネズミノミによって媒介され、ほとんど全世界に分布する。日本では関東以西の各地に風土病的に存在し、流行季節は夏から秋に散発的に発生をみるが、ほかの季節に発生することもある。かつて満州チフスといわれたのも、この疾患である。
 病原体を保有するネズミの血液を吸ったネズミノミが感染し、体内にリケッチアを保有し続けるとともに、リケッチアを糞(ふん)中に排泄(はいせつ)する。ネズミノミはヒトには寄生しないので、ヒトへの感染は偶然の機会にネズミノミの汚染糞が皮膚のかき傷から入ったり、あるいは、これを吸入したりしておこる。また、感染ネズミの排泄物で汚染された食物を摂取して感染する。潜伏期は6~14日。症状は悪寒とともに急に発熱し、39℃前後の熱が1週間くらい続く。また、頭痛、筋肉痛、結膜充血、吐き気などもあり、発病後3日目ごろから赤くて細かい発疹が全身にぱらぱら現れる。治療は発疹チフスと同様で、テトラサイクリン、クロラムフェニコール、エリスロマイシンなどの抗生物質がよく効く。予防には、ヒトからヒトへの感染はないとされるが、患者の病床を家族などから引き離し、ノミの駆除、ネズミの捕殺に努めるが、これらについては法律的な規制はない。[柳下徳雄]

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世界大百科事典内の発疹熱の言及

【熱帯医学】より

…痘瘡(とうそう)ウイルスによって引き起こされる痘瘡(天然痘)は,熱帯地方に広範にみられた風土病であったが,世界保健機関(WHO)の取組みによって根絶された。 リケッチア類によるものには,恙虫(つつがむし)病,ロッキー山紅斑熱,発疹熱などがある。恙虫病は,広く南太平洋から東南アジアにかけて分布しており,病原体をもったツツガムシに刺されて感染する。…

【発疹チフス】より

…近年では抗生物質の開発,普及によって,死亡率は著しく低下した。 なお,発疹チフスによく似,しかし症状が軽い発疹熱は,かつては発疹チフスと同じものと考えられていたが,媒介はネズミノミによるものであり,病原体も別のリケッチアR.mooseriによるものであることが明らかになり,別の病気として区別されるようになった。これも抗生物質が有効である。…

※「発疹熱」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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