神歌(読み)カミウタ

デジタル大辞泉の解説

かみ‐うた【神歌】

神をたたえ、神力の発揚を期してうたう歌。
「―を歌ひ給ひければ、天照大神(あまてらすおほむかみ)是にめで給ひて」〈太平記・二五〉
平安後期の雑芸(ぞうげい)の一。本来、神楽歌直系であるが、のちに世俗の流行歌謡に移行する。2句の短歌形式のものと4句の今様形式のものとがある。
能の「翁(おきな)」のときにうたう歌。しんか。

しん‐か【神歌】

かみうた3

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世界大百科事典 第2版の解説

かみうた【神歌】

(1)神に関する歌謡の総称 神詠,すなわち神の詠歌も含むが,神楽,神遊びなど神事に用いる歌謡をさすことが多い。現行神楽中最古の神歌を伝えているのは御神楽(みかぐら)で,その中心部は榊,幣(ぬさ),杖(つえ),篠(ささ),弓,剣(つるぎ),鉾,杓(ひさご),葛(かずら)の採物歌(とりものうた)である。神歌という名称の歌謡を最も多く載せている文献は《梁塵秘抄》で,和歌形式の二句神歌約120首,七五調四句の今様形式である四句神歌約200首が収録されている。

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大辞林 第三版の解説

かみうた【神歌】

神の徳をたたえる歌。 「 -を歌ひ給ひければ/太平記 25
神祇じんぎに関する内容を、今様歌謡の曲節によって謡ったもの。四句神歌(=今様体)と二句神歌(=短歌体)とがある。 「かがみ(=地名)の傀儡くぐつども参りて歌つかふまつりけるに、-になりて/無名抄」
能楽で、「翁おきな」のときに謡う詞章。しんか。

しんか【神歌】

〔「じんか」とも〕

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精選版 日本国語大辞典の解説

かみ‐うた【神歌】

〘名〙
① 神のうたう歌。神の詠じたという歌。神詠(しんえい)
※太平記(14C後)二五「一千の神達を引調子を調(そろ)へて、神歌(カミウタ)を歌ひ給ければ、天照太神是にめで給て」
② 神の徳をたたえる歌、また、神事に関する歌の意で、主として、平安時代の歌謡の一種をいう。神遊びの歌や神楽歌などの神事に関する歌を、謡物曲節でうたうもの。広義の今様(いまよう)のうちに含まれ、二句神歌、四句神歌などに分かれる。
※宇津保(970‐999頃)菊の宴「御神子(みかうのこ)おりて舞ひ入り、山人かへす物の音いだし、かみうたつかまつる」
能楽で「(おきな)」の詞章。しんか。

かむ‐うた【神歌】

かん‐うた【神歌】

〘名〙 (「かむうた」とも表記) 神事に関する歌謡。かみうた。

しん‐か【神歌】

〘名〙
① 神のうたう歌。かみうた。
② 神の徳をたたえるうた。また、神事に関する歌。特に平安時代の歌謡の一種をいう。神遊びの歌や神楽歌などの神事に関する内容を、謡い物の曲節によってうたうもの。四句神歌と二句神歌とがあり、広義の今様のうちに含まれる。かみうた。
③ 能楽で「翁(おきな)」の詞章をいう。かみうた。
④ 神道と歌道。
仮名草子・伽婢子(1666)一〇「内外二典(じてん)に渡り、神歌(シンカ)両道にたづさはり」

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世界大百科事典内の神歌の言及

【梁塵秘抄】より

… 巻一は長歌(短歌体で〈そよ〉という囃子詞(はやしことば)を付けたもの)10首,古柳(こやなぎ)(不整形式で囃子詞の多いもの)1首,今様10首を収めるが,目録の歌数と違うのはこの現存の巻一が見本的な抄出本であることによるか。 巻二は法文(ほうもん)歌首,四句神歌(しくのかみうた)(神歌)204首,二句神歌121首を収める。法文歌はおおむね8・5音または7・5音の4句形式の仏教讃歌で,大きく仏・法・僧・雑の順に配列され,なかでも法(経典)の部は天台教学の五時教判の基準に従い,華厳経以下のおもな大乗仏典の各経歌をそろえ,特に法華経二十八品歌は開結2経を前後に置く群作百十数首で堂々たる構成である。…

【神歌】より

…(1)神に関する歌謡の総称 神詠,すなわち神の詠歌も含むが,神楽,神遊びなど神事に用いる歌謡をさすことが多い。現行神楽中最古の神歌を伝えているのは御神楽(みかぐら)で,その中心部は榊,幣(ぬさ),杖(つえ),篠(ささ),弓,剣(つるぎ),鉾,杓(ひさご),葛(かずら)の採物歌(とりものうた)である。神歌という名称の歌謡を最も多く載せている文献は《梁塵秘抄》で,和歌形式の二句神歌約120首,七五調四句の今様形式である四句神歌約200首が収録されている。…

【法文歌】より

…平安中期から末期に流行した今様(いまよう)の分類の一つ。今様には,ほかに神歌(かみうた),只の今様,古柳(こやなぎ),旧古柳(ふるこやなぎ),片下(かたおろし),早歌(はやうた),田歌(たうた),娑羅林(しやらりん)などがあった。法文とは仏法を説いた文章の意で,法文歌はその名のとおり著しく仏教的であり,とくに法華経をよんだものが多い。…

※「神歌」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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