考試(読み)コウシ

デジタル大辞泉 「考試」の意味・読み・例文・類語

こう‐し〔カウ‐〕【考試】

学力能力資格などを調べて及落・採否を判定すること。試験
[類語]試験考査試問入試受験テストオーディション

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精選版 日本国語大辞典 「考試」の意味・読み・例文・類語

こう‐しカウ‥【考試】

  1. 〘 名詞 〙 能力、資格などをためしたり調べたりして、及落、採否などを判定すること。試験。考課
    1. [初出の実例]「博士考試」(出典:令義解(718)学)
    2. 「外の家と同じやうな考試(カウシ)に逢った。それは手跡和歌音曲の嗜を験されるのである」(出典渋江抽斎(1916)〈森鴎外三一)
    3. [その他の文献]〔礼記疏‐学記〕

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改訂新版 世界大百科事典 「考試」の意味・わかりやすい解説

考試 (こうし)

日本古代の律令制下に学業技能などを試験し,その成績によって及第および官人への採否を判定すること。《令義解》の学令には,〈学者の道芸を校試するなり〉と公定注釈する。大学・国学生は,旬ごとに博士が試験した(旬試)。また7月の年度末には,大学では大学頭・介が,国学では学業の優れた国司が年終試を行った。そして典薬寮の医・針生は,医・針博士が1ヵ月に一度試験し,典薬頭・介が一季ごとに試験したが,さらに宮内卿・輔が年終試を行った。つぎに中国の科挙にならった式部省による官人採用試験は,(1)秀才は博学高才のものを採り,方略試2条を試験して,上上~中上第の四等が及第,上上第は正八位上,上中第は正八位下に叙した。(2)明経(みようぎよう)は二経以上に通じたものを採る。経籍10条を試験し,上上~中上第が及第で,上上第は正八位下,上中第は従八位上を授けた。この秀才・明経ともに,上下・中上第は叙位の対象にならなかった。(3)進士は治国の要務を身につけ,《文選(もんぜん)》《爾雅(じが)》を諳読できるものを採る。時務策2条と《文選》《爾雅》を試験して,及第の甲第は従八位下,乙第は大初位上に叙した。(4)明法(みようぼう)は律令に通達したものを採り,律令10条を試験して,及第の甲第は大初位上,乙第は大初位下を授けた。そして秀才・明経上中第以上で,蔭位(おんい)資格をもつか,孝悌によって表賞されたものは,その蔭位・成績による叙位に1階を加えて叙し,また明経で二経以上に通じたものは,一経を加えるごとに1階を加算した。つぎに書学生は書写上中以上を採用し,算学生は九章などの算学書を試験し,甲・乙第を及第としたが,叙法は明法と同じである。降って802年(延暦21)に秀才・明経の上下・中上第に初めて叙位が定められ,考試による官人登用方式の進展につながった。また医・針生や按摩・呪禁(じゆごん)生などの官人採用試験の方法や叙位などについても,諸規定があった。
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普及版 字通 「考試」の読み・字形・画数・意味

【考試】こう(かう)し

能力をしらべる。〔後漢書、呉良伝〕顯宗~曰く、~夫(そ)れ賢をめ國を助くるは、宰相のなり。何、韓信を擧ぐるに、壇を設けて拜し、復(ま)た考試せず。今、良を以て議と爲さんと。

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