複合汚染(読み)フクゴウオセン

デジタル大辞泉 「複合汚染」の意味・読み・例文・類語

ふくごう‐おせん〔フクガフヲセン〕【複合汚染】

2種類以上の毒性物質が複合して毒性を強めた汚染
[補説]有吉佐和子小説から一般に用いられるようになった。→複合汚染書名
[類語]汚染汚点よごけが汚濁汚穢おわい汚れ物大気汚染環境汚染

ふくごうおせん【複合汚染】[書名]

有吉佐和子長編小説。昭和49年(1974)から昭和50年(1975)にかけて「朝日新聞」で連載。環境汚染問題をテーマとする。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「複合汚染」の意味・読み・例文・類語

ふくごう‐おせん フクガフヲセン【複合汚染】

〘名〙 二種類以上の毒性物質が複合して毒性を強めた汚染。有吉佐和子の小説「複合汚染」(一九七四)から一般に用いられるようになった。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

百科事典マイペディア 「複合汚染」の意味・わかりやすい解説

複合汚染【ふくごうおせん】

2種類以上の汚染物質が環境中や生体内で,相乗的・相互干渉的に影響し合い,被害を大きくする汚染。1974年―1975年,《朝日新聞》に連載された有吉佐和子の《複合汚染》が問題を提起。有吉は,現代の日本農業が化学肥料農薬に依存している上に,食品加工での添加物(食品添加物)にも危険性があり,これらの相乗効果によって予想を上回る大公害が発生しかねないことを警告個別汚染物規制はあるが,複合的な汚染における毒性の相乗効果については研究も環境規制値の設定もなく,また極微量の汚染物の長期慢性毒性も解明されていない。今後の研究が大いに期待される。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「複合汚染」の意味・わかりやすい解説

複合汚染
ふくごうおせん

硫黄酸化物窒素酸化物などの共存による環境汚染。相乗作用によって単独の場合より被害が増大する。実例として,煤塵と硫黄酸化物あるいは光化学オキシダントが複合すると,被害の症状が激しくなることが報告されている。このほか食品添加物,残留農薬,医薬品など,単独では安全であっても複数の物質が人体内に取入れられることによって生じる健康被害なども複合汚染と呼ばれる。複合した場合の相乗作用や相加作用,また逆の拮抗作用に関しては,調査研究がなお不十分である。影響は人体だけにとどまらず広く人間生活を支える自然の生態系にも及ぼされると考えられるが,これも今後の重要な課題として残されている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android