平安中期の天台宗の僧。京都の人で、藤原貞雅(ふじわらのさだまさ)の子。慈慧大師(じえだいし)良源に学び、叡山(えいざん)東塔の檀那院(だんないん)に住して教学を講説した。西塔慧心院(えしんいん)の源信(げんしん)と並び称され、両者の法系である檀那流と慧心流の両流は、天台宗学の二大流派となった。また、30歳に満たない谷阿闍利皇慶(たにあじゃりこうけい)に密教を学び、秘密灌頂(ひみつかんじょう)を受ける。1003年(長保5)12月、一条(いちじょう)天皇の詔(みことのり)により大極殿(だいごくでん)仁王会(にんのうえ)の総導師を管し、少僧都(しょうそうず)に任ぜられた。その後しばしば宮中に召されて法要を説き、詔によって僧正(そうじょう)に任ぜられた。寛弘(かんこう)4年11月1日(一説に10月30日)示寂。世に檀那僧都(僧正)と称された。『玄義鈔(げんぎしょう)』『円頓戒勘文(えんどんかいかんもん)』『草木発心修行成仏義(そうもくほっしんしゅぎょうじょうぶつぎ)』『四種三昧(ししゅさんまい)私記』『三観義(さんかんぎ)私記』などの著作がある。
[中尾良信 2017年6月20日]
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(小原仁)
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