誘う(読み)サソウ

デジタル大辞泉 「誘う」の意味・読み・例文・類語

さそ・う〔さそふ〕【誘う】

[動ワ五(ハ四)]
一緒に行動するようにすすめる。また、連れ出す。「ボランティア活動に―・う」「ドライブに―・う」
そのことが原因となって、ある気持ちを引き起こさせる。促す。「涙を―・うドラマ」「いい陽気に―・われて行楽地に繰り出す」
好ましくない状況などに引き入れる。誘惑する。「悪の道に―・う」
[可能]さそえる
[類語]いざなう招く呼ぶ誘い合わせる誘い出すおびき出す・誘い入れる・誘い込むおびき寄せる引き込む引き入れる引きずり込む引っ張り込む巻き込む抱き込む・誘いかける・呼びかける働きかける持ちかける勧誘誘引袖を引く口を掛ける声を掛ける水を向ける鎌を掛ける

いざ‐な・う〔‐なふ〕【誘う】

[動ワ五(ハ四)]《「いざ」は勧誘する意の感動詞。「なう」は接尾語》さそう。勧める。「旅に―・う」「源氏物語世界へ―・う」
[類語]誘う招く呼ぶ誘い合わせる誘い出すおびき出す・誘い入れる・誘い込むおびき寄せる引き込む引き入れる引きずり込む引っ張り込む巻き込む抱き込む・誘いかける・呼びかける働きかける持ちかける勧誘誘引袖を引く口を掛ける声を掛ける水を向ける鎌を掛ける

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「誘う」の意味・読み・例文・類語

さそ・うさそふ【誘】

  1. 〘 他動詞 ワ行五(ハ四) 〙
  2. 相手に、ある事をするようにすすめる。勧誘する。誘引する。また、すすめていっしょに行く。いざなう。
    1. [初出の実例]「花の香を風のたよりにたぐへてぞ鶯さそふしるべにはやる〈紀友則〉」(出典:古今和歌集(905‐914)春上・一三)
    2. 「立も帰らで漕ぐ船を浦より外に誘(サソフ)らん」(出典太平記(14C後)一一)
  3. まわりの状況が人の気持をひきつけて、そちらになびくようにさせる。ある気持、感慨を起こさせる。
    1. [初出の実例]「御琴の音いかにまさり侍らむと、思ひ給へらるる夜のけしきに、さそはれ侍りてなむ」(出典:源氏物語(1001‐14頃)末摘花)
    2. 「すべて追憶をさそふ材料とならないものはない」(出典:東京の三十年(1917)〈田山花袋〉山の手の空気)
  4. (物を)もち去る。(人を)さらってゆく。盗む。
    1. [初出の実例]「花さそふ嵐や峰をわたるらん桜波よる谷川の水〈源雅兼〉」(出典:金葉和歌集(1124‐27)春・五六)
    2. 「此笠を人にさそはれてはなりまらせぬ」(出典:虎明本狂言・地蔵舞(室町末‐近世初))

いざ‐な・う‥なふ【誘】

  1. 〘 他動詞 ワ行五(ハ四) 〙 ( 「いざ」は感動詞。「なう」は接尾語 ) さそう。勧める。また、勧めて連れて行く。さそいともなう。
    1. [初出の実例]「神我天神地祇を率(ひき)ゐ伊左奈比(イザナヒ)て必ず成し奉(まつ)らむ」(出典:続日本紀‐天平勝宝元年(749)一二月二七日・宣命)
    2. 「れいのものする山寺に、紅葉も見がてら、とこれかれいざなはるればものす」(出典:蜻蛉日記(974頃)下)

いさよ・ういさよふ【誘】

  1. 〘 他動詞 ハ行四段活用 〙 いざなう。さそう。
    1. [初出の実例]「人ならば宮こに見ましみや木のの露をいさよふ萩の夕風」(出典:壬二集(1237‐45))

さす・うさすふ【誘】

  1. 〘 他動詞 ハ行四段活用 〙さそう(誘)

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