招く(読み)マネク

デジタル大辞泉 「招く」の意味・読み・例文・類語

まね・く【招く】

[動カ五(四)]
合図をして人を呼び寄せる。「手を振って―・く」
客として来るように誘う。招待する。「歓迎会に―・かれる」
ある目的のために、礼をつくして来てもらう。また、しかるべき地位を用意して、人に来てもらう。招聘しょうへいする。「作家を―・いて講演会を開く」「ゲストに―・く」「教授として―・く」
好ましくない事態を引き起こす。もたらす。「惨事を―・く」「誤解を―・く」
[可能]まねける
[類語](1呼ぶ呼び寄せる差し招く手招きする/(2招待する呼ぶしょうずるしょうずる迎えるさそいざな誘い合わせる誘い出すおびき出す・誘い入れる・誘い込むおびき寄せる引き込む引き入れる引きずり込む引っ張り込む巻き込む抱き込む・誘いかける・呼びかける働きかける持ちかける勧誘誘引袖を引く口を掛ける声を掛ける水を向ける鎌を掛ける/(3招聘しょうへいする招致する招請するへいする招集する・召集する/(4もたらす持ちきた来す引き起こす生む将来する招来する誘発する惹起じゃっきする生ずる生み出す作り出す創出する創造する

お・く〔をく〕【招く】

[動カ四]まねく。呼び寄せる。
「月立ちし日より―・きつつうちじのひ待てど来鳴かぬほととぎすかも」〈・四一九六〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「招く」の意味・読み・例文・類語

まね・く【招】

  1. 〘 他動詞 カ行五(四) 〙 ( 近世以降「まねぐ」とも )
  2. 手や袖を動かすなどの合図をして、近くに来るようにうながす。手招きして呼ぶ。また、合図などのために手や袖を振り動かす。手まねで知らせる。
    1. [初出の実例]「千の酒にれる人を招(まネキ)誘して飲興し」(出典:地蔵十輪経元慶七年点(883)三)
    2. 「秋の野の草はたもとか花すすきほにいでてまねく袖とみゆらん〈在原棟梁〉」(出典:古今和歌集(905‐914)秋上・二四三)
  3. 口頭または使者書状などによって、呼んで自宅など、近くに来させる。呼び寄せる。呼ぶ。招待する。
    1. [初出の実例]「大納言猶命をしうやおもはれけん、子息讚岐中将をまねひて」(出典:平家物語(13C前)一一)
  4. それだけの理由があって、結果を身にこうむる。身に受ける。
    1. [初出の実例]「賢良(さかしひと)を誅し殺すに由ての故に、斯の禍を召(マネケ)り」(出典:日本書紀(720)斉明六年七月(北野本訓))
  5. ( 比喩的に ) 身近にもたらす。
    1. [初出の実例]「手の中に扇あれば涼を招くに㝡やすし」(出典:海道記(1223頃)序)
  6. やって来てしばらく滞在してある仕事をしてくれるよう、礼をつくして頼む。招聘(しょうへい)する。

お・くをく【招】

  1. 〘 他動詞 カ行四段活用 〙 ( 後世「おぐ」とも )
  2. まねきよせる。よびよせる。
    1. [初出の実例]「是に、其の遠岐(ヲキ)八尺(やさか)の勾璁(まがたま)・鏡と草那芸剣と、亦常世思金神・手力男神・天石門別神とを副へ賜ひて」(出典:古事記(712)上)
  3. 鷹言葉で、餌などで鷹をまねきよせる。
    1. [初出の実例]「置かふは。鷹を手はなち。餌を見せておきたつる事也。鷹よぶとはいはず。おくと云也」(出典:龍山公鷹百首(1589))

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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