転位(結晶)(読み)てんい

百科事典マイペディア 「転位(結晶)」の意味・わかりやすい解説

転位(結晶)【てんい】

ディスロケーション結晶における格子欠陥一種で,結晶の一部を一定方向にすべらせた場合に生ずる原子配列のゆがみ。すべった部分の輪郭転位線というが,すべりの方向に垂直な転位線の部分では原子配列のゆがみは刃状転位,すべりの方向に平行な転位線の部分ではらせん転位,その他の部分では両者のゆがみが重なる(混合転位)。転位は結晶の種々の物理的性質に影響を与える。たとえば結晶は結晶面上に成長層が渦巻状に二次元的に成長するが,その原因はらせん転位にある。
→関連項目金属組織学金属物理学

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