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遊女評判記 ゆうじょひょうばんき

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

遊女評判記
ゆうじょひょうばんき

江戸時代に遊郭制度が整ってから続出した,遊女の紹介,遊郭の案内,諸分 (しょわけ。遊興の作法) 秘伝などを記した書物。寛永年間 (1624~44) に成立した『露殿物語』にその発生をみることができ,明暦1 (55) 年頃から盛んに出版に付された。島原 (京都) ,吉原 (江戸) ,新町 (大坂) の3都の遊郭に関するものが大多数で,ほかに地方のもの (長崎の丸山など) が若干ある。圧巻は色道の百科全書ともいうべき藤本箕山の『色道大鏡』である。

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デジタル大辞泉の解説

ゆうじょ‐ひょうばんき〔イウヂヨヒヤウバンキ〕【遊女評判記】

江戸時代の評判記の一。遊女1容姿性情品定めを主に、客の遊興の案内などを記したもの。各地で刊行された。

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世界大百科事典 第2版の解説

ゆうじょひょうばんき【遊女評判記】

京都島原,江戸吉原,大坂新町の各遊廓の遊女名を列挙し,彼女たちの容貌技芸などについて品評した書をいう。江戸前期に述作され出版された。廓中の諸事情や遊興について述べた〈秘伝書〉の類をも含む。文学史では仮名草子に分類している。現存する最古の作品は1655年(明暦1)刊の《桃源集》で,島原の太夫八千代,小藤(こふじ)以下計13人,天神(太夫の次位の遊女)40人の容色を記している。五言絶句狂詩狂歌とを掲げる点,文学作品的色彩がすでに認められる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

遊女評判記
ゆうじょひょうばんき

遊女の評判や遊興論を書いたもの。大きく狭義の遊女評判と諸分秘伝解説の2形式に分類され、前者は寛永(かんえい)(1624~44)の初年のころ『つゆ殿(どの)物語』『四十二のみめあらそひ』、後者は『秘伝書』(正保(しょうほう)以前成立か)をその始まりとする。三都の遊里すなわち京の島原、大坂の新町、江戸の吉原についての実用的案内書であるとともに、井原西鶴(さいかく)『好色一代男』(1682)を産み出す母胎とされるように、意識的な文学的形態をもつ娯楽読み物となっているものもある。代表的なものに『あづま物がたり』(1642)、『桃源集』(1655)、『ね物がたり』(1656)、『色道大鏡』(1658)、『なには鉦(どら)』など。[中野三敏]
『『近世文藝資料5 難波鉦(複製)』(1957・古典文庫)』

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世界大百科事典内の遊女評判記の言及

【細見】より

…略地図,家並図,妓楼(ぎろう)名,遊女名,遊女の階級合印(あいじるし),揚代(あげだい),芸者名,年中紋日(もんび)などを記す。遊郭の手引書としては遊女評判記の出版が先行しているが,1642年(寛永19)刊の《あづま物語》は案内書的性格が強いので細見の起りとされる。その後,遊女評判記から遊女の品評文を除き,家並図に妓名を入れた地理的案内書として独立したものが細見として定着した。…

【露殿物語】より

…写本1巻,絵巻物3巻。江戸時代初期の遊女評判記として,もっとも古いものといえる。いちおう物語の形式をとっており,朝顔の露の介という16歳の少年が,元吉原の遊女と親しくなり駆落ちするが,女は捕らえられて連れ戻される。…

【評判記】より

…江戸時代に出版された遊女や歌舞伎役者の品評を記した書。遊女のそれは〈遊女評判記〉,役者のそれは〈役者評判記〉と呼ばれる。現存する遊女評判記の最古の作品は1655年(明暦1)刊の京都島原の《桃源集(とうげんしゆう)》,役者評判記の最古の作品は1659年(万治2)京都刊の《野郎虫(やろうむし)》。…

※「遊女評判記」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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