酸アミド(読み)サンアミド(英語表記)acid amide

デジタル大辞泉 「酸アミド」の意味・読み・例文・類語

さん‐アミド【酸アミド】

アンモニア水素原子1個がアシル基RCO-と置換した化合物総称カルボン酸誘導体として重要。また、広くアミドをいう。

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精選版 日本国語大辞典 「酸アミド」の意味・読み・例文・類語

さん‐アミド【酸アミド】

  1. 〘 名詞 〙 ( アミドは[英語] amide ) アンモニア (NH3) の水素原子一個がアシル基 (RCO-) と置換した化合物の総称。カルボン酸の誘導体として重要。また、広くアミドをいう。

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改訂新版 世界大百科事典 「酸アミド」の意味・わかりやすい解説

酸アミド (さんアミド)
acid amide

アンモニアNH3分子の水素原子をアシル基RCO-で置換した化合物の総称で,単にアミドamideともいう。置換された水素の数に応じてそれぞれ第一アミド,第二アミド,第三アミドと呼ぶが,ふつう,酸アミドといえば第一アミドをさす。

 RCONH2   第一アミド

 (RCO)2NH  第二アミド

 (RCO)3N   第三アミド

第一アミドのアミノ基の水素原子を1個または2個の炭化水素基で置換したものが多数見いだされており,これらはN-置換アミドと呼ばれる。また,イミノ基NHをもつ第二アミドのうち,ジカルボン酸から生成する環状化合物をとくに酸イミドイミド)と呼び,他の第二アミドと区別することが多い。β-,γ-,δ-アミノ酸が分子内で縮合環化したものはラクタムと呼ばれる。

第一アミドの命名は,酸の翻訳名に〈アミド〉を続けるか,酸の英語名の接尾語〈-ic acid〉を〈-amide〉に変えた英語名の音訳を用いる(ギ酸アミド=ホルムアミド,酢酸アミド=アセトアミドなど)。N-置換アミドの名は非置換アミド名の前にN-置換基名をつける。対称的第二アミドや第三アミド名は,相当する第一アミド名の前に〈ジ〉または〈トリ〉をつける。

 ホルムアミドHCONH2以外のほとんどのアミドは無色の結晶で,低位のものは水に可溶である。アルコールやエーテルにはよく溶けるが,石油エーテル,四塩化炭素などの無極性溶媒には溶けにくい。中性の化合物であるが,強酸や強塩基と反応して不安定な塩をつくることがある。また,酸や塩基触媒によって加水分解されてカルボン酸RCOOHを生じ,五酸化リンで脱水すればニトリルRCNを生じる。酸アミドは酸塩化物,酸無水物やエステルにアンモニアを作用させて合成する。この方法でアンモニアの代りにアミンを用いるとN-置換アミドが得られる。ほかに,ニトリルの加水分解,カルボン酸アンモニウム塩の加熱でも合成できる。酸アミドは有機合成原料として広く用いられるが,低位のN-置換アミドは溶媒として利用される。スルホン酸のアミドRSO2NH2スルホンアミドsulfonamideと呼ばれる。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「酸アミド」の意味・わかりやすい解説

酸アミド
さんアミド
acid amide

カルボン酸およびその誘導体とアミンの縮合によって生成する化合物の総称。一般式 RCONH2 。アンモニアの水素をアシル基で置換した構造をもつ。無機酸から生成するものも含むことがある。製法にはカルボン酸誘導体とアミンの縮合,ニトリルの加水分解,カルボン酸のアンモニウム塩の加熱,ケトオキシムの転位反応がある。酸アミドは無色結晶が多く,一般に融点が高い。中性を示す。比較的水に溶けにくい。加水分解によってカルボン酸を生じる。還元するとアミンを生成する。絹やナイロンは酸アミド系高分子化合物である。またギ酸アミドおよびホルムアミドは液体で有機溶媒として使われる。

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百科事典マイペディア 「酸アミド」の意味・わかりやすい解説

酸アミド【さんアミド】

単にアミドとも。アンモニアの水素原子をアシル基RCO−で置換した化合物の総称。通常カルボン酸アミドを意味するが,カルボン酸をスルホン酸に置き換えたスルホンアミドなどを含めていうこともある。ふつう中性で,加水分解すればカルボン酸とアンモニアになる。また,亜硝酸により分解されて窒素を発生する。アセトアミドCH3CONH2,ベンズアミドC6H5CONH2,ベンゼンスルホンアミドC6H5SO2NH2などがある。

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栄養・生化学辞典 「酸アミド」の解説

酸アミド

 図の構造をもつ化合物.

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化学辞典 第2版 「酸アミド」の解説

酸アミド
サンアミド
acid amide

[別用語参照]アミドの【Ⅰ】

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