(読み)ジュン

デジタル大辞泉 「醇」の意味・読み・例文・類語

じゅん【×醇】

[名・形動]
まじりけのない濃厚な酒。
まじりけのないこと。また、そのさま。純粋。
「―なる詩境に入らしむるのは」〈漱石草枕
[類語]純粋純正純一純良至純無垢むく無雑むざつ真正っ粋生一本生え抜きちゃきちゃき連体修飾語として)純然たる醇乎じゅんこたる

じゅん【醇】[漢字項目]

人名用漢字] [音]ジュン(呉)
薄めていない、よく熟した酒。「醇酒芳醇
まじりけがない。「醇乎じゅんこ
人情に厚い。手厚い。「醇厚醇風
[名のり]あつ・あつし

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精選版 日本国語大辞典 「醇」の意味・読み・例文・類語

じゅん【醇】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形動 )
  2. まじりけのない酒。また、酒の味が濃くてうまいこと。また、そのさま。醇酒。
    1. [初出の実例]「其味薄して醇ならず」(出典:柳橋新誌(1874)〈成島柳北〉二)
    2. [その他の文献]〔蘇軾‐和陶飲酒二十首詩・其二〇〕
  3. 一般に、まじりけのないこと。もっぱらなこと。また、そのさま。純。
    1. [初出の実例]「醇乎として醇なる詩境に入らしむるのは自然である」(出典:草枕(1906)〈夏目漱石〉一)
    2. [その他の文献]〔書経‐説命・中〕
  4. 人情があついこと。また、そのさま。〔淮南子‐氾論訓〕

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普及版 字通 「醇」の読み・字形・画数・意味


人名用漢字 15画

[字音] ジュン
[字訓] さけ・まこと

[説文解字]

[字形] 形声
正字は(じゅん)に従い、声。〔説文〕十四下に「澆(にご)らざる酒なり」とあって、醇(じゆんろう)をいう。引伸して醇粋醇篤・醇正の意に用いる。

[訓義]
1. こいさけ、醇熟したさけ、まじりけがない。
2. まこと、てあつい。
3. もっぱら、かわらぬ、正しい、よい。

[古辞書の訓]
和名抄〕醇 日本紀私記に云ふ、醇酒、加太佐介(かたさけ)〔名義抄〕醇 濁酒、アツシサケ/醇酒 カタサケ 〔立〕醇 コマヤカナリ・アツシ・サケ・コサケ・カタサケ 〔字鏡集〕醇 モハラ・カタサケ・アハツ・アツシ・コサケ・サケ

[語系]
醇・淳・純zjiunは同声。粹(粋)siutも声近く、すべて醇熟し、純粋な状態にあるをいう。

[熟語]
醇壱・醇化醇雅醇謹醇潔醇乎・醇厚・醇酒醇儒醇醇・醇・醇粋・醇正醇酎・醇篤醇徳・醇白・醇美醇碧醇朴・醇味・醇・醇・醇・醇和
[下接語]
懿醇・飲醇・雅醇・甘醇・疵醇・嗜醇・醇・醸醇・酔醇・清醇・大醇・貞醇・芳醇・

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