重重しい(読み)オモオモシイ

デジタル大辞泉 「重重しい」の意味・読み・例文・類語

おもおも‐し・い【重重しい】

[形][文]おもおも・し[シク]
落ち着いていて威厳が感じられる。「―・い口調」⇔軽軽かるがるしい
いかにも重そうである。重圧感を覚える。「―・い靴音
「―・い苦悩くるしみ」〈独歩運命論者
身分地位が重い。並々でない。
「―・しうて常にしも参り給はず」〈蜻蛉
主だっているさま。
「この御後見うしろみどものなかに―・しき御乳母めのとのせうと」〈・若菜上〉
[派生]おもおもしげ[形動]おもおもしさ[名]
[類語](1厳か厳粛粛粛厳然森厳荘厳荘重重厚物物しい厳めしい厳としてげん重量感どっしりずっしりずしりずしっとどっかとがっしり重み広量堂堂大度太っ腹マッシブ存在感睥睨へいげい厳しい厳格厳重厳酷厳正冷厳峻厳しゅんげん峻烈しゅんれつ苛酷険しい辛辣しんらつ粛然貫禄威厳威徳尊厳威儀権威威信威名威望名望威光威力権力勢威重圧すご脅威威圧威風威風堂堂威容偉容英姿雄姿勇姿仰仰しいご大層息が詰まる大風呂敷を広げる/(2息苦しい重苦しい息詰まる胸苦しい重いあえ寝苦しい悶悶もんもん苦しい胸を痛める胸が痛む胸が張り裂ける胸が塞がる胸がつかえる胸が裂ける胸が潰れる胸拉ぐ胸がつまる息を切らす息が切れる息が詰まる息も絶え絶え息が弾む息を弾ませる気息奄奄えんえん息切れ片息息急き切る肩で息をするぜいぜいぜえぜえはあはああえぎ喘ぎむせるむせ返るむせぶき込む息衝く

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「重重しい」の意味・読み・例文・類語

おもおも‐し・い【重重】

  1. 〘 形容詞口語形活用 〙
    [ 文語形 ]おもおも〘 形容詞シク活用 〙
  2. 地位身分が高くて威厳がある。かんろくがある。⇔軽々しい
    1. [初出の実例]「あまたの子生み出でて、いとおもおもしくて、まゐりまかでしける」(出典:落窪物語(10C後)四)
  3. 性格、態度、表現などがこせこせしていない。落ち着いて慎重なさまである。ゆったりとしている。⇔軽々しい
    1. [初出の実例]「母みやすむ所、いとおもおもしく心ふかきさまにものし侍りしを」(出典:源氏物語(1001‐14頃)澪標)
  4. 尊重しなければならないという感じがする。おもだっている。丁重に扱うべきである。⇔軽々しい
    1. [初出の実例]「をもをもしき御めのとのせうと、左中弁なる、かの院のしたしき人にてとしごろつかうまつるありけり」(出典:源氏物語(1001‐14頃)若菜上)
  5. 気分が浮き立たず、暗く沈んだ感じである。
    1. [初出の実例]「傍で引立てるやうにしてくれるけれど、サテどうも気が重々しくッて困るのサ」(出典:人情本・花筐(1841)初)
  6. いかにも重量があるという感じである。
    1. [初出の実例]「泥を噛む轍の音重々(オモオモ)しく聞えつ、車来りぬ」(出典:おとづれ(1897)〈国木田独歩〉上)

重重しいの派生語

おもおもし‐げ
  1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙

重重しいの派生語

おもおもし‐さ
  1. 〘 名詞 〙

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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